125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「…伊武、何だよ。さっきのあれ…」
不二達から完全に離れてから、疑問に感じたことを神尾は聞いた。
「ん…? あれ…? まぁ、ちょっとした興味だな。試合中なら不二さんも傍にいないだろ?」
フッ…と小さく伊武が笑った。
「…あ、あの…不二先輩…。いつまでもここにいると、また…人が…」
あたしは、先輩が全然手を離してくれそうもないので、困ってしまった。
「そんな心配いらないのに。…でも、確かにここにずっといるわけにはいかないよね」
不二も小さく笑うと、ようやく歩きだした。
七星の手は離さないままに。
いつの間にか七星の傘はたたまれ、二人は不二の傘に寄り添うように入っている。はたから見れば仲のよいカップルだ。
不二が七星の傘を持ってあげて…だが、実際は手早く抱き寄せた時に傘も取り上げ…というのが正解。
(さっきの人が間に入った時に、上手く帰ればよかった…)
そう思うと、ため息をそっとつくだけで、神経は握られた手と、道路に落ちる雨粒がだんだん少なくなって来たな…とぼんやり思うことに集中するしかなかった。