125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「わかったら、行こうぜ」
伊武がそう言うとくるりと背を向け、また雨の中に歩き出した。
「待てよ、伊武」
あわててその気まずい現場から立ち去ろうと、神尾が一歩踏み出た瞬間、なぜか伊武が急に振り返った。
「…不二さん、小耳に挟んだんですが、青学は氷帝と練習試合するんですか?」
興味ありげな視線を不二と七星に向ける。
「ああ、やるよ。週末にね」
早く行ってくれないか…と言う煙たい視線を伊武に向けながら、不二は答える。
「…当然、彼女さんも見に行きますよね?」
何かを探るような目つきで不二を見るが
「僕の彼女だからね。応援に来てくれるのは当たり前だよ」
さらに七星を引き寄せると、睨むように不二は言った。
「わかりました。行くぞ。神尾」
「え、あ、あぁ…」
リズムに乗り損ねたような顔をすると、やや焦りながらも神尾は伊武の後について歩き出した。
雨はそれほど降ってはいないが、傘をたたむには少し早い。