125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「…あのさぁ、悪いんだけどさ、そこどいてくれないかなぁ? 道でイチャつくのもいいんだけどさ、他にも通行人がいるってこと忘れないで欲しいんだよね。世の中君ら二人だけで出来てるわけじゃないんだからさ」
ぼやきのようなつぶやく声が、雨音に混じって突然後ろから聞こえたから、あたしは焦りと恥ずかしさで不二先輩からあわてて離れると、後ろの人を通すために脇へ寄った。
でも内心助かった…と思いながら…。
「…いや、見事に左右に分かれるものだなぁ…何か邪魔したね、悪いねぇ…」
また独り言のようにブツブツ言うと、その人はあたしと不二先輩の間をスルリと通り抜けた。
「……」
でもその人は、あたしの前を通る時に、じっとあたしを見るから恥ずかしさの残るまま、俯き加減にしていたと思う。
「へぇ…不二さんの彼女って可愛いもんだね…」
「……え…」
顔を上げたあたしに、その人は少しだけ笑顔を見せて、すぐにそのまま通り過ぎて行った。
「どうしたの? 七星ちゃん」
あたしが、その人の後ろ姿を見送っていたせいか。不二先輩があたしの手を取ると言った。