125キロの加速 ナツのオトメ3*
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(…2度目だ…)
リョーマくんが道の角を曲がって姿が見えなくなっても…あたしは熱い頬を押さえたままでいた。遊園地からの帰りに送ってくれた時と、今と…。
宵闇の中、少しだけ湿り気を帯た風が髪を揺らし、頬を撫でて通り過ぎた。
(やだ、いつまで立ってるんだろ、あたしったら…)
ハッとして、自分の部屋に舞い戻るとようやく鼓動も落ち着いてくれた。
「ふぅ…」
何気なく深く息を吸って吐いてから、ベッドに腰掛けた。
目を横に動かすと、さっきあわてて開いたまま置いた携帯が見える。
閉じようと手にしたら、『不在着信』の文字が目に入った。
「あれ…」
下にいる間に電話があったんだな…と確認すると
発信人は越前リョーマ。
「え…あれ…?」
ついさっき話していたリョーマくんが…? 帰り道の途中で何か思いついたのかな…と時間をよく見ると、その時間のあたしはまだ学校にいるはず…。
そう…その時間は…
『出ないで』
観月さんに耳を塞がれた感触が甦り、また観月さんに抱きしめられたような錯覚に陥ってしまい、せっかく戻った落ち着きも、鼓動のドキドキに追い払われてしまった。