125キロの加速 ナツのオトメ3*
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「いや、兄貴とケンカなんてしてないっすよ…」
答えは返るものの、気持ちは上の空でどこかに抜けている。それに依然として、木更津とは視線を合わせない。
「赤澤と何かあったのか…?」
「いや、部長は立派です。あの人こそ部長の鑑でしょう」
「柳沢とは…?」
「いや、あんな立派なアヒル他にはいませんよ」
「…もしお前が、六角中のダビデならどんなギャグを言う…?」
「上履きで歩いていたら、板を踏み抜いた。『うわーッ!』『バキィッ!』」
「………プッ…」
不覚にも笑ってしまった。
だから、これはいつもの裕太じゃない。裕太が…ダビデ並の寒いギャグを即座に言うわけない。
(やはりおかしい…)
「じゃあ、観月とは…? あいつと何かあったか」
これでなければ、別な角度から突破口を見つけるしかないな…と微(かす)かなため息を洩らし、裕太の返事を待ったが…。
「──!!」
不二裕太は、言葉を返せなかった。
(…観月と…? それで、観月は一緒に戻らなかったのか…)
少しうろたえたような裕太の横顔に、緊張して見開いた瞳が不釣り合いに張り付いて見えた。