125キロの加速 ナツのオトメ3*
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その時、鞄の中の携帯が鳴った。
「出ないで…」
観月さんが、あたしの耳を塞ぐように抱きしめる。
携帯は20秒で切れた。
辺りの薄闇は少しずつ濃さを増し始めている。ここに明かりはない。目の前の、観月さんのシャツの色さえも薄闇に溶けてしまいそうだ。
「…もう大丈夫でしょう」
周囲にサッと注意を払うと、ようやく観月さんはあたしを抱きしめる力を緩めてくれた。
それに合わせて、ハァ…とあたしはしばらく振りに息をついたような気がした。
今度こそ観月さんから離れようとしたけど、観月さんは手の力を緩めていただけで、あたしを離そうとはせずに、
「さぁ、お名残惜しいですが帰りましょうか」
と、あたしの肩を抱き寄せると正門へ足を向けた。
「別にさぁ、お前が言いたくないんなら無理には聞かないけど…」
青学から戻ってから、目も合わさずに部屋に戻ろうとした不二裕太を誘い、寮の一画にある談話室で木更津淳は言う。
「兄貴の不二周助とケンカでもしたのか?」
一番可能性のありそうなことから、木更津は聞き出そうと考えた。