125キロの加速 ナツのオトメ3*
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足音は、周囲を見回しただけですぐにその場を離れた。 ホッとして、観月さんのシャツを掴んでいた手の力も自然と抜ける。
そして、観月さんから体を離そうとしたら…
「まだ…離れないで下さい…」
離そうとした分、抱き寄せられてしまう。
「で…でも…」
鼓動が、また速く刻み始める。
「先ほどの足音の主…不二ですよ」
「─え…?」
「あなたを捜していますね。越前も…」
観月さんのしなやかな指先が、あたしの髪を撫でる…。
「僕は渡しませんから…」
手が止まると、観月さんがじっとあたしを見つめている視線を、痛いほど感じる。
こんな状況で顔なんて、とても上げられない。
心臓だってさっきからもう、はね上がりそうなくらい騒いでる。
音が聞こえてしまう…。
「七星さん、僕を見て下さい」
「…え…」
「見て…」
視線の圧力に負けて、そっと顔を上げる。
「好きです…。七星さん。あなたに出会えてよかった…」
じっと見つめられたまま、微笑む口許からそんなことを言われたら、頬を染め視線を逸らすだけで精一杯だった…。