125キロの加速 ナツのオトメ3*
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「よろしかったら、僕とご一緒して頂けますか?」
にこやかに微笑むと、王子様はエスコートするための手を差し延べた…。
観月さんのあまりに優雅な動きに、あたしはいつか映画で観たような、舞踏会のワンシーンを思い出していた。
「え…いえ、それがあたしは…」
あたしがしどろもどろで言いかけると、
「こちらへ!」
「─えっ…?」
グイッ…といきなり観月さんがあたしの腕を掴んで、校舎脇の植え込みに引っ張り込んだ。
「何をっ…」
「しっ! 黙って」
「……!!」
あたしの目の前が観月さんの着ていたシャツでいっぱいになって、他に何も見えなくなった時、植え込みの横を駆け抜ける足音を聴いた。
「…っ…いないか…! てっきりこっちだと思ったのに…」
(リョーマくん!?)
辺りを見回すように足音が少しだけ乱れた後、別な方向に急ぐように消え去った。
「リョ…」
「ダメです。もう少し」
リョーマくんの駆け去った方に、顔を向けようとしたとたん、観月さんに深く頭を抱き込まれてしまった。