125キロの加速 ナツのオトメ3*
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「いっけない。携帯忘れちゃったわ…」
今しがた出て来た保健室に向かうと、薄暗い廊下にたたずむ人影が見える。
「どうかした? ケガでもしたの?」
声をかけると、扉の前で所在なげにしていた二人が、同時に振り向く。
「先…生」
「ケガくらいなら診てあげるわよ」
扉の鍵を開けると、灯りをつけ二人を招き入れた。
「いえ、こちらで休養していた…熱中症で運ばれた一年生の女の子は…」
不二がやや遠慮がちに尋ねる。
「あ、あの子なら、ここを閉めるから帰って貰ったのよ。具合もよくなってたしね」
机の携帯を取り上げ、保健医はにこやかに不二に説明した。
「それ…いつっスか?」
「ついさっきよ。私は忘れ物を取りに、たまたま戻っただけなの」
言いながら、手提げ鞄に携帯をしまう。
「わかりました。ありがとうございます」
二人は同時に頭を下げ、同時に部屋を出る。
「ついさっきなら」
「まだその辺にいるっス」
二人は早足から駆け足になり、校舎を飛び出ると、今度は別方向に勢いよく分かれた。