125キロの加速 ナツのオトメ3*
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あれ、不二先輩どこ行くんスか?」
長い長いミーティングがようやく終わり、越前リョーマが部室を急ぎ足で出て、七星の待つ保健室に向かう廊下に踏み込んだとたん、自分の前方を同じく急ぎ足で歩く見慣れた背中が視界に入った。
「越前…どうして君まで来るの?」
にこやかに振り向いて不二が、わかりきった答えをリョーマに尋ねる。
「…先輩こそ。何を急いでいるんスか?」
不二に並ぶと、さりげなく一歩早く前に出る。
「僕はこれで普通なんだけどな?」
急いでなんかいないよ、と不二がリョーマを追い越す。
「そうっスか」
また不二に並び、追い越しをかけた時には、すでに保健室の前に来てしまった。
「…あれ…?」
一瞬早く不二が保健室のドアに手をかけたが、固く閉ざされている上に、すりガラスの向こうは薄暗い。
「鍵…閉まってるし、人気もない…」
リョーマも確認すると、独り言のようにつぶやく。
(ここに居ろって言ったのに…)
(一人で帰ってしまったの…? 僕が待たせたから…?)
二人のそれぞれの想いが、徐々に暗さを増してくる廊下で交差する。