125キロの加速 ナツのオトメ3*
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(なぜ…観月さんにわかって俺にわからなかったんだ…)
どんよりとフェンスを掴んだまま、さっきからピクリとも動かないルドルフの男…その名を不二裕太。
(誰よりも七星さんを見つめていたはずなのに…)
「…何なんだ…? 裕太のヤツはさっきからよ」
ルドルフの部長赤澤は、少しイラついたように言葉を吐いた。
「まぁ、何て言うか…思いがけない人物に先を越された…ってことだーね」
両手を広げ首を左右に振り、そしてため息をつきながら柳沢は不二裕太の心境を解説する。
「あぁ? 何じゃそりゃ」
どうも赤澤はそちら方面は疎いようだ。それを察しているのか、柳沢も
「平たく言えば、ライバル登場に気が焦ってるだーね。しかもそいつは、ライバルになる人間じゃなかったからだーね」
簡素に説明する。
「…ぬぅ…? 今頃不二周助で悩んでいるのか?」
「…曲解すればある意味、似たようなもんだーね」
詳しい解説はあきらめたようだ。
(跡部さん…幸村さん…そして兄貴に観月さん…!)
ガシャッ…と拳でフェンスを叩く。
(クソッ…!)
唇をギリッと噛んで、さっきまで七星が座っていたベンチをただ見続けた─。