125キロの加速 ナツのオトメ3*
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(お嬢ちゃん─?)
跡部が一瞬目を見開き、フェンスを鷲掴みにすると、勢いよく体を反転させ、コート入り口を目指し駆け出した。
「跡部!?」
びっくりしたように忍足が、跡部の背中に声をかける。
(七星ちゃん?)
試合が終わり、手塚と話をしていても絶えず目の端に七星を置いてきた不二も身を翻した。
「不二?」
「何だ? どうした?」
手塚と河村が驚いて不二を見送る。
(─七星さん?)
彼女がおかしい…と思った時には足が動いていた。
…それは意外にも…。
「おい、観月…」
「どこ行くだーね?」
さっき七星が顔を覗かせた入り口の扉を飛び付くように開けると、真っ直ぐ七星のベンチを目指し走った。
幸村が─
跡部が─
不二が─
観月が─
ベンチから崩れ落ちる寸前の七星に駆け寄った。
幸村と跡部が同時に七星を抱きとめた。
「─熱中症…かな」
「…多分な。今日の暑さは尋常じゃねぇし」
それぞれ七星の額と首筋に手を当て、様子を見て話す。