125キロの加速 ナツのオトメ3*
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「あの、仁王さんも頑張って下さいね!」
コートに入った仁王さんに、あたしは跡部さんが言うように声をかけた。仁王さんは、意外そうな顔してあたしを見たけど、すぐにそれは笑顔に変わった。
つられてあたしも仁王さんに笑顔を向けた。
真剣な表情に切り替わった仁王さんがサーブを打ち込む。
《15―0》
「な? 戻ったろ?」
跡部さんが、フェンスに寄りかかりながら言った。
「本当に…。跡部さんって凄いですね。心理学がお出来になるんですか?」
不二先輩もいつもの不二先輩に、仁王さんも仁王さんに…戻った試合は白熱を帯びる。
あと1ポイントに変わりはないけれど、両者とも譲らない。
あたしは試合を目で追いながら、フェンスの後ろにいる跡部さんに聞いた。
「そうじゃねぇけどな。単純明快だぜ? お嬢ちゃんの周りにいる連中なら大体わかることだ」
苦笑するように、跡部さんは言う。
「そうなんですか? え…じゃ、あたしにもわかりますか?」
思わず振り向いて、跡部さんを見た…けど、
「お嬢ちゃんには無理だ」
フェンスを挟んで向こうとこっち。いつの間にか穏やかに微笑む跡部さんに、目が吸い寄せられていた。