125キロの加速 ナツのオトメ3*
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(…何じゃ…)
仁王の脇をすり抜け、不二の打ち返したボールがコートを叩く。
「どうしました、仁王くん。今のはあなたらしくないですよ」
柳生が素早く声をかける。
「あ、ああ…そうじゃな」
確かに自分らしくない。
ただ七星の声を聴いた…それだけなのに、体が瞬間止まった。
(…俺じゃなく、不二と言った…それだけのことじゃ。同じ青学でここは青学のコートなんじゃから応援して当たり前じゃろが…)
当たり前…理屈ではわかっているが、わかった時には心と体が既に分離していた。
《ゲーム 不二・河村組》
自分とは逆に不二が調子を取り戻し、どんどん差を縮めてくる。
(…仁王。やっぱりお前も…)
タオルで汗を拭う仁王をベンチから見つめ、幸村も思った。
「…彼女が仁王にも声をかければ…勝率は6割に戻るんだが…」
柳がつぶやく。
「…心理…ですか?」
あたしは少しキョトンとして、跡部さんを振り返った。
「そう。次にお嬢ちゃんが仁王に声をかければ、正常な試合に戻るぜ」
「…ええ?」
あたしは驚く…と言うより感心して、愉快そうに笑う跡部さんを見つめた。