125キロの加速 ナツのオトメ3*
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(対戦相手が両方知り合いだと、応援って素直に出来ない…)
あたしはコートに体を向けたまま、少しため息をついた。
「不二を応援してみな」
「……え?」
あたしは跡部さんを振り返った。
「不二にひと言、声援をかけてみろ。逆転するぜ。そして多分、今度は仁王が調子を崩す」
くく…と跡部さんが、笑いを堪えるように言った。
「本当ですか…?」
あたしは信じられなくて、目を見開いて跡部さんを見たと思う。
「賭けてもいいぜ。やってみな」
フェンスに肘をつき、指先で前髪をかき上げながら、跡部さんはあたしに言った。
「………」
半信半疑で、あたしは息を吸い込むと
「不二先輩、頑張って下さい!」
自分でも驚くくらいな声が出て、コートに響き渡った。
瞬間、不二先輩があたしを見て笑って─
相手コートにボールを叩き込んだ。
形勢がまたたく間に逆転した。本当に、ついさっきまで調子の波に乗っていた、仁王さんが見る間に崩れていった。
「─な?」
「…どうして?」
あたしは唖然として、入れ替わった試合を見つめた。
「人の心理は微妙なもんだな」
また跡部さんがクク…っと笑った。