125キロの加速 ナツのオトメ2*
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「…あたしは何も望みません」
幸村さんの穏やかな微笑みに目を向けると、あたしは言った。
「幸村さんは幸村さんであればいいんです。作る必要も飾る必要もありません」
ちょっと偉そうかな…と思ったけど、あたしは今、思うことを言うことにした。
「人の中には、いくつもの自分がいて、どれが自分だなんてわかりません。幸村さんだって『優しさ』だけで出来上がっているわけないと思います。出来ていたら…それは嘘ですよ。だから、あたしが知らないだけで、部長さんなんだから、ホントは厳しかったり、怖かったりすると思います」
言いながらあたしはチラ…と幸村さんの表情を確認したけど、優し過ぎて読み取れない。
「それに例えば、幸村さんが実は真田さんで、あたしと将棋打っててもいいですし、ホントは日吉さん…だったらやだな…これは、殴っちゃうか…うん…」
あたしのあまりな突飛さに、幸村さんもついに吹き出した。
「ふふ…本当に君は心が広いし、賢いよ」
あたしはちょっと、キョトン…とした。
「賢い…ですか?」
「ああ、会話をすれば相手の頭の良し悪しと言うものは、すぐわかる。賢い者は愚かな振りは出来るけど、その逆は無理だろう?」
「……」
あたしは、幸村さんの本意が読み取れないので、返事に躊躇した。
でも…一応褒められた…んだよね…?