125キロの加速 ナツのオトメ3*
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いつもなら七星が誰といても、ある程度までなら見過ごすことが出来る。
だが今、自分が試合をしているコートの脇で、七星が微笑みを向けている相手は誰あろう、不二裕太─自分の弟だ。
もしかしたら、一番遠ざけたい相手かもしれない。
弟だから─
七星に手を出して欲しくない。
だから、試合中にも関わらず常に注意がコートの外へと行ってしまう。
(こんな僕は初めてだ)
自分でも驚く。
辛うじて体は、無意識にでもボールに反応して追い付いて行く…が、ボールを拾っているだけで倒せるような相手ではない。
(いけない。シャンとしなければ…)
仁王のラケットから繰り出される容赦のない攻撃が、不二を襲う。
(ふふ…気を取られる…ってことは点も取られるってことぜよ)
仁王が余裕の笑みをニヤリと浮かべた。
「不二! 大丈夫か?」
河村が、ラケットを弾き飛ばされた不二に駆け寄る。
「あ…ああ、ごめん、大丈夫。ちょっと油断してた」
グリップを握り直して、いつもの笑顔を河村に向け、仁王には鋭い視線で応えた。
(僕を、あまり甘く見ないで欲しいな)