125キロの加速 ナツのオトメ2*
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「…あ…それで昨日…柳さんがいたんだ…」
立海大の合宿と聞き、あたしは思い出してつぶやいた。
「…柳がどうかした?」
幸村さんが小首をかしげてあたしを見た。
「あ、それは昨日…」
あたしは柳さんに助けて貰ったことを、幸村さんに説明した。
「そう…蓮二が…」
幸村さんもつぶやいた。
そして改めてあたしを見ると
「しかし…日吉は、本当に君にご執心だね」
少し微笑んで言った。
「え…あ…そう…ですね」
あたしは一昨日、無我夢中で幸村さんの背中に隠れてしまったことを思い返し、恥ずかしくなってしまった。
(…日吉さんのことは、本当に何とかしないと…あぁ…でもあたし、何で日吉さんが苦手なんだろ…)
ため息混じりに、初めて日吉さんと出会った日を思い出していた…。
不二先輩と行った遊園地の帰り…。
「そうだ…幸村さん達と初めて会った同じ日に、あたし日吉さんとも初めて会ったんだっけ…」
「…そう。あの日に彼とも…」
幸村さんも、遊園地のソフトクリームを思い出したのかもしれない。
あの時、レポート用紙を拾わなければ…ってわけにも行かないわよね。
「あの時は、爽やかな人に見えたんだけどな…」
思わずつぶやくと、幸村さんは微笑んで言った。
「人は外見と違うよ」
「…それは、わかります」
うん。それは…わかる。
「じゃ…例えば俺なら、七星さんから見たらどんな人間に見える?」
優しく見つめられると、急にドキドキしてきた。
「あの…優しくて、穏やかで…凄く素敵なひと…です」
恥ずかしいので、うつむいたままあたしは答えた。
「ふふ…俺が優しい?…」
「…え?」
不思議なことを言うな…と思い、チラ…とほんの少しだけ幸村さんを見た。
「案外、冷酷非道かもしれないのに…?でもそうしたら…七星さんはどうする…?俺を嫌いになる?」
変わらず優しい表情で、あたしに問いかける。
「え…優しい…ですよ?あたしは、他の幸村さんは知りませんし…仮に優しくないとしても、幸村さんは幸村さんでしょう?」
あたしは幸村さんの本意がわからなかったけれど、思ったまま言った。
「ふふ…君ならそう言うと思った」
遠くを見るように幸村さんは微笑んだ。
「それなら…俺はそうしよう。君といる限り君の望む俺でいよう」