125キロの加速 ナツのオトメ2*
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─翌日 八ヶ岳山麓─
「うわ~標高が高いって、物がくっきり見えるね~」
「真夏なのに涼しいよ。本当に高原なんだね~」
「空気が全然違うよ」
「何か肌がヒリヒリする。紫外線強いよ~お肌荒れる~」
思い思いにはしゃぎながら、あたし達『青学・天文同好会』は目的のペンションに到着した。
すぐ近くからテニスをする音や声が聞こえる。
「よっしゃ、じゃちょっとテニス部の手塚に挨拶してくるから、荷物ほどいたりしてて」
同好会会長の山下先輩は、そう言うと、テニス部の宿舎に向かった。
同好会員は全部で7人…男子4人と女子3人。
女子は3人部屋だ。
「ねぇねぇ、テニス部と花火大会なんてラッキーよね」
「うん、ホント。普段全然不二くんとか近づけないもんね~」
「あら、アナタ不二くんなの?あたしは…手塚くんなんだ~」
二人の先輩は、テニス部の話で盛り上がる。
「七星ちゃんは?テニス部で誰かお目当ていたりする?」
不意にあたしまで聞かれた。
「いえ、あたしは、いませんけど」
そう答えたら
「へぇ~。そうなんだ。でもさ、花火がきっかけでときめくかもよ」
「そうそう、同じ1年の越前くんなんて、可愛いんじゃない?」
「そ…そうでしょうか」
「絶対そうよ~。越前くんはまだ彼女いないみたいだし、可能性はあるわよ」
先輩達はお構いなしに盛り上がる。
(…リョーマくんは、勝手に彼氏にしたことあります。対千石さん用に…。手塚先輩も現在『架空の彼氏』です…対日吉さん用に…。不二先輩は彼氏だと誤解されたことがあります)
…こうして考えると、あたしって、テニス部の人々に多大なご迷惑をおかけしている…物凄く反省しないとマズイわよね。
「おーい、いいか?」
ノックの音と共に会長が声をかけて来た。
「手塚が俺達にも挨拶する…って、来てくれたぜ。すぐ下に降りてこいよ」
「えっ!きゃっ」
二人の先輩はあわてて身繕いを始めた。
「七星ちゃん、急ごう」
3人で下に降りると、階段を見上げていた手塚先輩と、目が合った。
あたしは、そっとお辞儀をした。
手塚先輩の目が笑った気がする。
簡単な挨拶と、花火大会の説明の後で、手塚先輩はテニスを教えるから、合宿中の自由時間にいつでもどうぞと言っていた。
二人の先輩は舞い上がっていた。
帰り際、すれ違いざま先輩はあたしの手にすっ…とメモを忍び込ませた。