食べたくなる病

【後日談】


ハイラル城、医務室にて。


――食べたくなる病気……らしいよ。

そう。読んで字の如くなんだけど、リト族しか罹らないすごく珍しい病気なんだって。

私も今は姫様達と一緒にリト族の医者の話を聞きに行ったり、その病気について書かれてる文献を片っ端から探し回ってる。

うん、食べたくなる対象が貴女だから、当分の間は面会させられないと思う。
昔は実際に食べてしまった事例もあったらしいし、用心するに越したことはないわ。

ううん、いいのよ気にしなくて。
あいつだって、またミファーを傷付けちゃうのはきっと避けたいはずだから。

その代わり……貴女の血、少し分けてもらってもいいかな?
それで特効薬作ってみようって話が出てるんだ。
本来なら年単位でゆっくり治療していくらしいんだけど、今はそんなこと言ってられないし。

この天才プルア様に任せておけば大丈夫だって♪
リーバルも早く病気治してミファーに謝りたいって言ってたしね。
皆であいつを必ず元気にしてみせよう!

それじゃあ、採血の準備するからこの椅子に座って待ってて!

ミファーは採血は初めてだったっけ?
そっかそっか、初めてかー。
すこーしチクッとするかもしれないけど、すぐ終わるから安心してね。

どうしてリーバルがそんな病気に罹ってしまったのか、原因はわかったのかって?

………………。

えーっとミファー、それは本人が元気になってから直接聞いた方がいいと思う。
病因って病気によっては、極めて個人的でプライベートなものなんだよ。

あいつも気難しい所あるから、答えてもらえなくてもしつこく食い下がっちゃダメだからね。

教えたのが後でバレて、研究所をありったけのバクダン矢で釣瓶撃ちになんかされたら困るし……。

あーいや、なんでもないの!独り言!
ほら、採血するから早く腕出してってば!

3/3ページ
スキ