ゼノブレ二次小説
【試された話】
「そういえばさ」
「なんだよ、改まって」
雲海が晴れ世界が新しくなって数ヶ月後。
イヤサキ村のはずれでニアと日向ぼっこをしている時、ふいに気になっていたことを思い出した。
「クラウスさんに幻見せられて試されたことがあったじゃん。その時にニアはオレの幻になんて言われたのかなって……」
「…………」
投げかけた質問にニアの顔はみるみる無表情なものに変わり、彼女はやがて俯いていた。やっぱり、聞かない方が良かったかもしれない。
「あーその、嫌なら聞かなかったことにしてくれていいからさ。ニアが傷付くこと言われてなかったか心配で……」
「…く…だって」
「え?」
「散々っぱら迷惑だって言われちゃったよ」
「ニア、オレは……!」
「分かってる。あれはそう思われてるんじゃないかって自分の不安をあの人が具現化しただけだって」
「ニア……」
「でもね、迷惑だって言われて私ちょっとホッとしたんだよね」
「えぇっ、一体どうして?」
「アンタはさ、いつもアタシを否定しないだろ? それが個人的に負い目に感じちゃっててさ。あぁ、レックスにもちゃんと負の感情があるんだなって」
「なんだよそれ」
「あはは、アタシもそう思うよ。でもその時は確かにホッとしたんだ。幻だと分かってもっとホッとしたけど」
「オレ、別に聖人君子でもなんでもないんだけどな」
ニアの大げさな言葉に苦笑しつつツッコミを入れれば、彼女は真面目な顔になって更に言葉を紡ぐ。
「実際聖人君子でしょ。そうじゃなきゃ、ホムラとヒカリを救えなかったと思うし」
「そ、そうかなぁ」
「それに……」
「それに?」
「アタシのことも救ってくれた」
「ニア……」
そっと、ニアの両手がオレの手を優しく包む。それはエルピス霊洞で彼女が真の姿を見せてくれた時と同じ柔らかさだった。
「改めてありがとうレックス。今のアタシがあるのはアンタのお陰だよ」
「そりゃオレの台詞だよニア。君がいてくれたから皆を救うことが出来たんだから」
「ふふっ、全てはニア様のお陰ってことか」
「ああ、そういうことになる」
「……。全く、アンタって朴念仁なのかたらし野郎なのか、たまに分からなくなるよ」
「えっ……?」
急に呆れ顔になったニアに首を傾げていたら、村の方からホムラがオレ達を呼ぶ声が聞こえてきた。きっと昼食ができたのだろう。ニアは鼻をスンスンとさせて、メインディッシュが何であるか探っていた。
「お、魚の焼ける良い匂い! レックス、早くコルレルさんの家に戻ろう!」
「ああ、そうだね」
二人で立ち上がってコルレルさんの家に戻る。
空の真ん中に居座る太陽がオレ達を穏やかに照らしていた。
「そういえばさ」
「なんだよ、改まって」
雲海が晴れ世界が新しくなって数ヶ月後。
イヤサキ村のはずれでニアと日向ぼっこをしている時、ふいに気になっていたことを思い出した。
「クラウスさんに幻見せられて試されたことがあったじゃん。その時にニアはオレの幻になんて言われたのかなって……」
「…………」
投げかけた質問にニアの顔はみるみる無表情なものに変わり、彼女はやがて俯いていた。やっぱり、聞かない方が良かったかもしれない。
「あーその、嫌なら聞かなかったことにしてくれていいからさ。ニアが傷付くこと言われてなかったか心配で……」
「…く…だって」
「え?」
「散々っぱら迷惑だって言われちゃったよ」
「ニア、オレは……!」
「分かってる。あれはそう思われてるんじゃないかって自分の不安をあの人が具現化しただけだって」
「ニア……」
「でもね、迷惑だって言われて私ちょっとホッとしたんだよね」
「えぇっ、一体どうして?」
「アンタはさ、いつもアタシを否定しないだろ? それが個人的に負い目に感じちゃっててさ。あぁ、レックスにもちゃんと負の感情があるんだなって」
「なんだよそれ」
「あはは、アタシもそう思うよ。でもその時は確かにホッとしたんだ。幻だと分かってもっとホッとしたけど」
「オレ、別に聖人君子でもなんでもないんだけどな」
ニアの大げさな言葉に苦笑しつつツッコミを入れれば、彼女は真面目な顔になって更に言葉を紡ぐ。
「実際聖人君子でしょ。そうじゃなきゃ、ホムラとヒカリを救えなかったと思うし」
「そ、そうかなぁ」
「それに……」
「それに?」
「アタシのことも救ってくれた」
「ニア……」
そっと、ニアの両手がオレの手を優しく包む。それはエルピス霊洞で彼女が真の姿を見せてくれた時と同じ柔らかさだった。
「改めてありがとうレックス。今のアタシがあるのはアンタのお陰だよ」
「そりゃオレの台詞だよニア。君がいてくれたから皆を救うことが出来たんだから」
「ふふっ、全てはニア様のお陰ってことか」
「ああ、そういうことになる」
「……。全く、アンタって朴念仁なのかたらし野郎なのか、たまに分からなくなるよ」
「えっ……?」
急に呆れ顔になったニアに首を傾げていたら、村の方からホムラがオレ達を呼ぶ声が聞こえてきた。きっと昼食ができたのだろう。ニアは鼻をスンスンとさせて、メインディッシュが何であるか探っていた。
「お、魚の焼ける良い匂い! レックス、早くコルレルさんの家に戻ろう!」
「ああ、そうだね」
二人で立ち上がってコルレルさんの家に戻る。
空の真ん中に居座る太陽がオレ達を穏やかに照らしていた。
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