モノクロとブルー
【王家の姫と二人】
―――タバンタ辺境、リトの馬宿前。
「もうそろそろかな……」
馬宿近くのリトの村に続く吊り橋の前で、新たにリトの族長となったクラフィカは誰かを待っていた。その表情はやや固く、クラフィカには珍しく少しだけ緊張しているように見えた。
「! いらっしゃったな」
そこに、白を基調とした洗練された防寒着に身を包んだ金髪の少女が白馬に乗ってやってきた。少女の後方にはその供であろう騎士が三人もついてきている。貴族の娘でも通常そこまでの供はつかない。一体この少女は何者なのだろう。
そんな不思議な少女を前にクラフィカは恭しくお辞儀をして嘴を開いた。
「――遠路はるばるリトの村までお越しいただき誠にご苦労さまです、ゼルダ姫様」
「出迎えありがとうございます、クラフィカ殿」
馬から降りながらにこやかに口を開く少女は現ハイラル王の娘であるゼルダ姫だった。
王家の姫君が辺境であるリトの村までやってくるとは、何か特別な用事があると見て間違いなかった。
「労いの御言葉、恐れ入ります。ところで先にいただいたお手紙によれば、神獣の繰り手候補をお探しだとか」
どうもゼルダ姫は最近発掘が完了した古代シーカー族の遺物である神獣の操縦者を探しているようだ。神獣は全部で四機で、それらを繰るのは各地方の部族から選出されることになっている。このリトの村への行脚もその一環なのだろう。
「えぇ、リト族の中にリーバルという強い戦士がいるとお聞きしまして」
「おぉ、あいつを候補に挙げるとはお目が高い」
ゼルダ姫の口からよく知った名が出て、クラフィカは目をパッと輝かせる。元々予想してはいたようだが、実際その名が出てくると喜ばずにはいられなかったようだ。
「! 彼を知っているのですか?」
「知ってるも何も、リーバルは私の実の弟なのです」
「なるほど、リーバル殿はクラフィカ殿の弟ぎみなのですね。それで、彼はどちらに?」
キョロキョロと辺りを見回すゼルダ姫を微笑ましそうに見ながら、クラフィカは嘴を開く。
「リーバルならここから少し歩いた先にある飛行訓練場という場所で鍛錬している筈です。私が案内いたしましょう」
「ええ、お願いします」
こうしてゼルダ姫一行は飛行訓練場まで向かうこととなった。
◇ ◇
―――タバンタ辺境、飛行訓練場。
「――それで、リーバルはリト族にとってとても画期的な技を編み出したのです」
「まぁ、それは一見の価値がありそうですね」
クラフィカの案内でゼルダ姫が馬に乗って飛行訓練場にやってきた。
道すがらクラフィカがリーバルの話をすればゼルダ姫は喜んでその話を聞き、道中大いに盛り上がった。
「その素晴らしさは私が保証します。あとはそれを本人が披露してくれるか……」
そこまで話してクラフィカは飛行訓練場の方に目を向ける。飛行訓練場は現在リーバルが鍛錬をしている筈だが、やけに静かだった。
クラフィカはそれをどう思ったのか、そこで立ち止まって飛行訓練場に建てられた小屋を凝視する。
「――――――」
「クラフィカ殿……?」
「――ゼルダ姫様、少しそこでお待ちいただいても?」
「? え、えぇ、分かりました」
困惑しながらもそこで待機するゼルダ姫に、安心させるようにクラフィカは笑みを浮かべる。
その後、クラフィカが一人ゆっくりと飛行訓練場の小屋に近付いていくと、小屋の中で何かが光ったのが見えた。その刹那。
「っ!」
「!? クラフィカ殿?!」
クラフィカの頬の横スレスレを二本の矢が高速で通り過ぎていく。それを見たゼルダ姫が驚き声を上げる。
「大丈夫です、ゼルダ姫様。いつものことですので」
「いつもの……? きゃっ!」
クラフィカの少し違和感のある言い回しにゼルダ姫が首を傾げていると、急に激しい風が生じ彼らの衣服をバタバタと鳴らした。
ゼルダ姫は思わず目をつぶる。その後ゆっくり目を開けると、クラフィカの目の前に青い羽毛のリト族が怒りの形相で立っていた。彼の手には弓があり、先程飛んできた矢はこの者の手で射られたものだと分かった。
「何しに来たんだバカ兄貴!」
「何って、お前の様子を見に……」
開口一番、青い羽毛のリト族はクラフィカに罵倒を浴びせた。それにクラフィカは全く動じず、ここに来た理由を端的に語る。
兄貴という言葉からこのリト族こそ先程話していたリーバルであるとゼルダ姫は確信するが、件の戦士がまさかこんな人物だとは思っていなかったので若干困惑していた。
「だから、それが余計なお世話だっていつも言ってるだろうっ?!」
「まぁまぁ、今日くらい良いだろう?」
「今日も明日も関係ない! 僕に一々構うなって言ってるんだよ!」
「とは言ってもなぁ。今日はぜひお前に会いたいと言う方がいらっしゃっているんだ。とりあえずその方の話だけでも聞いてくれないか?」
「僕に会いたいと言う方?」
「ほら、あそこにいらっしゃるだろう?」
リーバルは怪訝な顔でクラフィカの後方を見る。
「――――――」
するとそこには二人の言い合いに驚きあんぐりと口を開けて固まっているゼルダ姫の姿があった。それを見てリーバルも流石に慌てふためき、クラフィカを改めて睨みつける。
「ちょ、ちょっと! 来客がいるなら早く言ってよっ」
「お前が何も確認せずに矢を射ってきたのが悪いんだろ」
「ば、バカ兄貴の姿が見えたからてっきりまた邪魔しにきたんだと思ったんだよ!」
「やれやれ、俺を過剰に意識するのは良いとしても、早合点で周囲に迷惑かけるもんじゃないぜ?」
「〜〜っ! ……チッ、分かったよ。今回は僕が悪かった……これでOK?」
「あぁ、分かってくれればそれでいいさ」
「……本当に、兄貴は僕に甘いんだから」
「何か言ったか?」
「いや、何でもない。――えっと、それで……僕に何の用?」
クラフィカとのやり取りが一応終わり、ようやくリーバルがゼルダ姫に話しかける。
「えぇっと、貴方に風の神獣メドーの繰り手となっていただきたいのです」
そうしてようやく、ゼルダ姫は本来の目的を果たすことが出来たのだった。
◇ ◇
―――その日の夜。タバンタ辺境、リトの村。
「お帰り、兄貴」
皆が寝静まった頃、クラフィカとリーバルの家にクラフィカが戻ってきた。今夜はゼルダ姫がリトの村で宿泊するので、クラフィカはその接待と残っていた書類仕事をこなしてようやく帰ってきたのだ。対してリーバルもそんなクラフィカの帰りを待っていたようだった。
「ただいま。いやー疲れた」
かなり疲れたのだろう。家に着いて早々、クラフィカは寝支度を始める。その様子をハンモックの上から眺めながら、リーバルがおもむろに嘴を開いた。
「全く、王家の姫がやってきたってだけでこの騒ぎだ。こんなんで厄災が復活したらどうなるやら」
「まぁ、娯楽の少ない村だからな。皆はしゃぐのも無理ないさ」
「そうやって皆を甘やかしてたら、いざという時に村が滅ぶよ?」
「おっと辛辣だな。でも皆も馬鹿じゃない。その時は力を合わせてどうにかするさ」
「なら良いけど。せいぜい頑張ってよ、リトの族長サマ?」
「お前にそう言われたら、やる気も沢山出てくるってもんさ」
「単純にも程があるでしょ、それ……」
そこで一旦会話が途切れ、二人の間に沈黙が横たわる。いつの間にか寝支度を終わらせていたクラフィカも自分のハンモックに横になった。
「なぁ……」
二人がどちらもハンモックに横になって、今度はクラフィカがリーバルに話しかける。
「なに?」
「――今日のゼルダ姫の話、お前受けるか?」
「…………」
クラフィカの問いかけに、リーバルは考え込むように息を吐く。
今日のゼルダ姫の話――神獣の繰り手となってほしいという依頼だったが……。
「お前が言いにくいなら明日俺の方から断っておくが?」
「――いや、この話受けるよ」
「! 良いのか?」
クラフィカが驚いてリーバルを見ると、リーバルもクラフィカに顔を向ける。
「……自分が直接厄災を討伐するわけじゃないことはすごく不満だけどさ。それでも、断って何もしないよりはマシだろ?」
「そ、そりゃそうだが……」
弟の狙いが分からずクラフィカが困惑していると、リーバルが小さく咳払いをして己の壮大な目標を語りだした。
「僕、ハイラル一の戦士になりたいんだ」
「リーバル……」
「今回の話は、そのほんのワンステップだ」
「でも、あまり旨味はないかもしれないぞ?」
「コツコツやって自分の名声を高めていくさ。兄貴が族長になった時みたいにね」
「なるほど、本気なんだな」
「当たり前さ」
密かに、クラフィカは弟の新たな目標を知って目を綻ばせる。確かに壮大だが、リーバルならやれるはずだとクラフィカは確信していた。
「明日からまた忙しくなるな」
「……これから僕のことで兄貴にも色々と動いてもらうことになると思うけど、よろしく頼むよ」
「ははっ、何を当たり前のことを。弟の為ならなんでもやるさ」
「だっ、だからそういうのが余計なんだって……!」
「はいはい分かった。さて、そろそろ寝るぞ」
「……なんか逃げられた気がするけどまぁいいか。――おやすみ、兄貴」
「おやすみ、リーバル」
いつものようにそう言い合って、兄弟は一緒に眠りについた。
翌朝、リーバルの返事を聞いたゼルダ姫は大層喜んだという。
それから数ヶ月後、リーバルは英傑叙任式に出る為にハイラル城に招待されたのだった。
―――タバンタ辺境、リトの馬宿前。
「もうそろそろかな……」
馬宿近くのリトの村に続く吊り橋の前で、新たにリトの族長となったクラフィカは誰かを待っていた。その表情はやや固く、クラフィカには珍しく少しだけ緊張しているように見えた。
「! いらっしゃったな」
そこに、白を基調とした洗練された防寒着に身を包んだ金髪の少女が白馬に乗ってやってきた。少女の後方にはその供であろう騎士が三人もついてきている。貴族の娘でも通常そこまでの供はつかない。一体この少女は何者なのだろう。
そんな不思議な少女を前にクラフィカは恭しくお辞儀をして嘴を開いた。
「――遠路はるばるリトの村までお越しいただき誠にご苦労さまです、ゼルダ姫様」
「出迎えありがとうございます、クラフィカ殿」
馬から降りながらにこやかに口を開く少女は現ハイラル王の娘であるゼルダ姫だった。
王家の姫君が辺境であるリトの村までやってくるとは、何か特別な用事があると見て間違いなかった。
「労いの御言葉、恐れ入ります。ところで先にいただいたお手紙によれば、神獣の繰り手候補をお探しだとか」
どうもゼルダ姫は最近発掘が完了した古代シーカー族の遺物である神獣の操縦者を探しているようだ。神獣は全部で四機で、それらを繰るのは各地方の部族から選出されることになっている。このリトの村への行脚もその一環なのだろう。
「えぇ、リト族の中にリーバルという強い戦士がいるとお聞きしまして」
「おぉ、あいつを候補に挙げるとはお目が高い」
ゼルダ姫の口からよく知った名が出て、クラフィカは目をパッと輝かせる。元々予想してはいたようだが、実際その名が出てくると喜ばずにはいられなかったようだ。
「! 彼を知っているのですか?」
「知ってるも何も、リーバルは私の実の弟なのです」
「なるほど、リーバル殿はクラフィカ殿の弟ぎみなのですね。それで、彼はどちらに?」
キョロキョロと辺りを見回すゼルダ姫を微笑ましそうに見ながら、クラフィカは嘴を開く。
「リーバルならここから少し歩いた先にある飛行訓練場という場所で鍛錬している筈です。私が案内いたしましょう」
「ええ、お願いします」
こうしてゼルダ姫一行は飛行訓練場まで向かうこととなった。
◇ ◇
―――タバンタ辺境、飛行訓練場。
「――それで、リーバルはリト族にとってとても画期的な技を編み出したのです」
「まぁ、それは一見の価値がありそうですね」
クラフィカの案内でゼルダ姫が馬に乗って飛行訓練場にやってきた。
道すがらクラフィカがリーバルの話をすればゼルダ姫は喜んでその話を聞き、道中大いに盛り上がった。
「その素晴らしさは私が保証します。あとはそれを本人が披露してくれるか……」
そこまで話してクラフィカは飛行訓練場の方に目を向ける。飛行訓練場は現在リーバルが鍛錬をしている筈だが、やけに静かだった。
クラフィカはそれをどう思ったのか、そこで立ち止まって飛行訓練場に建てられた小屋を凝視する。
「――――――」
「クラフィカ殿……?」
「――ゼルダ姫様、少しそこでお待ちいただいても?」
「? え、えぇ、分かりました」
困惑しながらもそこで待機するゼルダ姫に、安心させるようにクラフィカは笑みを浮かべる。
その後、クラフィカが一人ゆっくりと飛行訓練場の小屋に近付いていくと、小屋の中で何かが光ったのが見えた。その刹那。
「っ!」
「!? クラフィカ殿?!」
クラフィカの頬の横スレスレを二本の矢が高速で通り過ぎていく。それを見たゼルダ姫が驚き声を上げる。
「大丈夫です、ゼルダ姫様。いつものことですので」
「いつもの……? きゃっ!」
クラフィカの少し違和感のある言い回しにゼルダ姫が首を傾げていると、急に激しい風が生じ彼らの衣服をバタバタと鳴らした。
ゼルダ姫は思わず目をつぶる。その後ゆっくり目を開けると、クラフィカの目の前に青い羽毛のリト族が怒りの形相で立っていた。彼の手には弓があり、先程飛んできた矢はこの者の手で射られたものだと分かった。
「何しに来たんだバカ兄貴!」
「何って、お前の様子を見に……」
開口一番、青い羽毛のリト族はクラフィカに罵倒を浴びせた。それにクラフィカは全く動じず、ここに来た理由を端的に語る。
兄貴という言葉からこのリト族こそ先程話していたリーバルであるとゼルダ姫は確信するが、件の戦士がまさかこんな人物だとは思っていなかったので若干困惑していた。
「だから、それが余計なお世話だっていつも言ってるだろうっ?!」
「まぁまぁ、今日くらい良いだろう?」
「今日も明日も関係ない! 僕に一々構うなって言ってるんだよ!」
「とは言ってもなぁ。今日はぜひお前に会いたいと言う方がいらっしゃっているんだ。とりあえずその方の話だけでも聞いてくれないか?」
「僕に会いたいと言う方?」
「ほら、あそこにいらっしゃるだろう?」
リーバルは怪訝な顔でクラフィカの後方を見る。
「――――――」
するとそこには二人の言い合いに驚きあんぐりと口を開けて固まっているゼルダ姫の姿があった。それを見てリーバルも流石に慌てふためき、クラフィカを改めて睨みつける。
「ちょ、ちょっと! 来客がいるなら早く言ってよっ」
「お前が何も確認せずに矢を射ってきたのが悪いんだろ」
「ば、バカ兄貴の姿が見えたからてっきりまた邪魔しにきたんだと思ったんだよ!」
「やれやれ、俺を過剰に意識するのは良いとしても、早合点で周囲に迷惑かけるもんじゃないぜ?」
「〜〜っ! ……チッ、分かったよ。今回は僕が悪かった……これでOK?」
「あぁ、分かってくれればそれでいいさ」
「……本当に、兄貴は僕に甘いんだから」
「何か言ったか?」
「いや、何でもない。――えっと、それで……僕に何の用?」
クラフィカとのやり取りが一応終わり、ようやくリーバルがゼルダ姫に話しかける。
「えぇっと、貴方に風の神獣メドーの繰り手となっていただきたいのです」
そうしてようやく、ゼルダ姫は本来の目的を果たすことが出来たのだった。
◇ ◇
―――その日の夜。タバンタ辺境、リトの村。
「お帰り、兄貴」
皆が寝静まった頃、クラフィカとリーバルの家にクラフィカが戻ってきた。今夜はゼルダ姫がリトの村で宿泊するので、クラフィカはその接待と残っていた書類仕事をこなしてようやく帰ってきたのだ。対してリーバルもそんなクラフィカの帰りを待っていたようだった。
「ただいま。いやー疲れた」
かなり疲れたのだろう。家に着いて早々、クラフィカは寝支度を始める。その様子をハンモックの上から眺めながら、リーバルがおもむろに嘴を開いた。
「全く、王家の姫がやってきたってだけでこの騒ぎだ。こんなんで厄災が復活したらどうなるやら」
「まぁ、娯楽の少ない村だからな。皆はしゃぐのも無理ないさ」
「そうやって皆を甘やかしてたら、いざという時に村が滅ぶよ?」
「おっと辛辣だな。でも皆も馬鹿じゃない。その時は力を合わせてどうにかするさ」
「なら良いけど。せいぜい頑張ってよ、リトの族長サマ?」
「お前にそう言われたら、やる気も沢山出てくるってもんさ」
「単純にも程があるでしょ、それ……」
そこで一旦会話が途切れ、二人の間に沈黙が横たわる。いつの間にか寝支度を終わらせていたクラフィカも自分のハンモックに横になった。
「なぁ……」
二人がどちらもハンモックに横になって、今度はクラフィカがリーバルに話しかける。
「なに?」
「――今日のゼルダ姫の話、お前受けるか?」
「…………」
クラフィカの問いかけに、リーバルは考え込むように息を吐く。
今日のゼルダ姫の話――神獣の繰り手となってほしいという依頼だったが……。
「お前が言いにくいなら明日俺の方から断っておくが?」
「――いや、この話受けるよ」
「! 良いのか?」
クラフィカが驚いてリーバルを見ると、リーバルもクラフィカに顔を向ける。
「……自分が直接厄災を討伐するわけじゃないことはすごく不満だけどさ。それでも、断って何もしないよりはマシだろ?」
「そ、そりゃそうだが……」
弟の狙いが分からずクラフィカが困惑していると、リーバルが小さく咳払いをして己の壮大な目標を語りだした。
「僕、ハイラル一の戦士になりたいんだ」
「リーバル……」
「今回の話は、そのほんのワンステップだ」
「でも、あまり旨味はないかもしれないぞ?」
「コツコツやって自分の名声を高めていくさ。兄貴が族長になった時みたいにね」
「なるほど、本気なんだな」
「当たり前さ」
密かに、クラフィカは弟の新たな目標を知って目を綻ばせる。確かに壮大だが、リーバルならやれるはずだとクラフィカは確信していた。
「明日からまた忙しくなるな」
「……これから僕のことで兄貴にも色々と動いてもらうことになると思うけど、よろしく頼むよ」
「ははっ、何を当たり前のことを。弟の為ならなんでもやるさ」
「だっ、だからそういうのが余計なんだって……!」
「はいはい分かった。さて、そろそろ寝るぞ」
「……なんか逃げられた気がするけどまぁいいか。――おやすみ、兄貴」
「おやすみ、リーバル」
いつものようにそう言い合って、兄弟は一緒に眠りについた。
翌朝、リーバルの返事を聞いたゼルダ姫は大層喜んだという。
それから数ヶ月後、リーバルは英傑叙任式に出る為にハイラル城に招待されたのだった。