五周年企画SSまとめ

 かのスター・トレック号にも。



 見た目はこども☆頭脳はおとな☆映画版にも

 世界一有名なネズミを創った人間の、アニメーション版絵本の世界にも。



 奴がいるのだ。



 私は怒りと恥辱で赤くなった。

 名探偵エドガー・ドイルと名がついても……ちがったか?

 江戸ガー湖南か?

 まあいい。あの子供だってホームジアンだ!





 アニメ犬になっても。

 レッドブルのロシアCMでも。

 ざまあみろなところでは、

 ペニスの着せ替え袋の宣伝にまで奴は現れる





 おい、賃貸のCMを着メロにするな。

 ケータイはdocomoか?

 マチキャラ・コンシェルジュを設定するなというんだ!





「気持ちはわかるよ、アーサー」





 私は貴様を名前じゃ呼ばんぞ、シぇリンフォード。


「舌を噛んだね、ドイル先生。その名前はやめて正解だった」


 奴は私の書いた時代にはない、まがったパイプをくるっと回した。


「最近じゃブレット君とも仲がいいらしいねサインがほしいな。いや、ワトスンがねだってきたから」


 彼だって、おまえを演じることさえしなければ長生きしたからな……同情だ。

 今日はなんだ。早くしろ。


「相談があるのだがね、パパ・ドイル」


 私はゾワッとした。

 奴が父親をどう呼んでいたかなど、考えたこともない。

 かといって呼び捨てられてはたまらんが。


「天国はいいところらしいね」


 貴様も一度は行っただろうが。麗しのモリアーティ教授を道連れにしてやったのに。


「誰も知らないストーカーに殺されるのはまっぴらだよ」


 ワトスンに裏切られて死にたかったか?

 彼だって、おまえを滝から突き落としたいと何度も思ったはずだ。

 一生懸命書いた作品を、けなされたり無視される辛さが、私には理解できるッ。





「僕のケータイきせかえは『デースケとぴよち』名探偵版だよ。iアプリには『ロンドン探偵物語』が入っている」


 話をそらすな……。


「ああ、どうにも困ったことがあってね。僕が童貞だったという白羽の矢が立った」


 いまさらだろう。こたえはYESだ!


「さすがの僕も知らなかったよ」


 では、とホームズはいった。





「天国にはワトソン君が連れてってくれるよ!」





End.
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