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マスターちゃんとホクサイくん

【免罪符】



「キミの血は何色?」

瞬きをした時には、もう遅かった。
眉間を撃ち抜かれた男の身体が、ぐらりと揺れる。
顔に返り血を浴びた。生温かい命の名残。
血溜まりに横たわる男の身体が、何度目かの痙攣。
噎せ返るような血の匂いと、胃液が逆流する感覚に、吐きそうになる。
「なんだ」本体を肩に担いだホクサイは、ブーツの靴底を血溜まりの中に浸したまま、殺した男を見下ろした。
「キミも赤いのか」

「こいつの血の色を確かめたくて」
「だってマスターに非道い事をするから。ほら、よく言うでしょ? 心無い人に『おまえの血は赤いのか』ってね」
「どうしたの。ああ、こいつの血が青くないからマスターもガッカリしたんだね。大丈夫、ボクちゃんが必ず、この血を綺麗なプルシアンブルーに染めてみせるから」

彼の子供のような微笑に、鮮血の花が咲いていた。
他のどの貴銃士よりも引き金が早く、知識欲が貪欲で、そして傲慢。
銃よりも銃らしく、人よりも人らしい。


彼は無邪気の名の下に、名もなき男を贖った。





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