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マスターちゃんとホクサイくん

【好きになさい】



問題行動を繰り返すホクサイに、マスターは寛大な態度を示した。
「貴方は私の貴銃士だもの。私の力は、貴方の好きに使っていいのよ」
彼には首輪が付けられた。
繋がる鎖を固く握るのは、『好きになさい』と微笑んだ彼女。
「キミは言ったよね。ボクの好きにしていいって」
手綱を握る手の甲には、禍々しい薔薇の傷痕。
流れる赤い血は鎖を伝い、薔薇の花弁が散るように、滴り落ちる。
「ええ。そうよ」マスターの口元が愉悦に歪んだ。
「ホクサイ。気が済むまで、好きになさい」
強い力が彼を襲う。
鎖を引いた彼女の足元に、彼は犬のように転がり、引き摺られるように跪く。
「出来うるものなら」
女の双眼は、冷たく彼を見下ろしている。





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