マスターちゃんの好男子辞典
【銀翼の死天使/パニック・シューター】
「マスターちゃんったらぁ、こんな事してるのぉ?」
「美少年」と書かれた半紙を受け取って、きゃっきゃっと嬉しそうにはしゃぎ出すきゅるちゅ。その横ではナインティが、『紙食えない。食いものよこせ』とブラックボードを掲げてみせた。
「きゅるちゅちゃんが美少年ってのは認めるけど、ナインティちゃんがそこに入るのかは謎よね」
「でも、可愛げのある少年だから。美少年と呼べなくもないんじゃないかしら」
エフの疑問に答える彼女は、どことなく投げやりに見える。「アンタ疲れてきたんでしょ」とエフは眉を顰めた。
「もう気は済んだでしょ。さっさと自分のベッドで休みなさい」
「ダメよ。まだあの人に会ってないもの」
「ファルちゃんなんか、直接顔を見なくたって容易に分類できるでしょ? 今日はもう大人しくなさい」
「あ、ファルと言えばね!」
きゅるちゅは急に目の色を変えて、彼女に愛らしく微笑みかけた。
「この前マスターちゃんのこと、『ハンサム』って言ってたよ」
「ハンサム?」
彼女は眉を顰める。それは男性に用いる褒め言葉ではないのだろうか。
「ハンサムってね、Hand(手)+Some(〜しやすい)から作られた言葉で、手で扱いやすいって意味らしいよ。顔立ちが良いと異性を手で扱うことも容易だから、だって」
きゅるちゅは悪魔の微笑みを浮かべ、さらに言葉を続けた。
「『うちのマスターはまさにハンサムですね。あの美貌を利用して貴銃士たちを手で転がすビッチですから』って〜!! 酷くない??」
「あの人、私の言葉遣いには煩く口出しするくせに、自分はそんな下世話な俗語を使って私を貶しているのね」
遊び疲れも吹き飛ぶほどの静かな怒りが、彼女を奮い立たせる。最低ね、とエフも思わず呟いた。
ただしきゅるちゅの言う事なので、本当にファルがそんな事を言ったかどうかは定かではない。
「マスターちゃんはずーっと、僕だけの可愛いお姉ちゃんだよ♡」
きゅるちゅは天使の微笑みで彼女の首に腕を回し、その頭上に頰を擦り寄せる。
『マスター、美少女』
ナインティの掲げるボードを読むと、彼女は困ったように微笑んだ。
「美少女なんて歳ではないと思うのだけど……、どうもありがとう」
【美少年】
容貌の美しい少年。
【ハンサム(handsome)】
きゅるちゅの言う通り。通常は男性に用いる。
「マスターちゃんったらぁ、こんな事してるのぉ?」
「美少年」と書かれた半紙を受け取って、きゃっきゃっと嬉しそうにはしゃぎ出すきゅるちゅ。その横ではナインティが、『紙食えない。食いものよこせ』とブラックボードを掲げてみせた。
「きゅるちゅちゃんが美少年ってのは認めるけど、ナインティちゃんがそこに入るのかは謎よね」
「でも、可愛げのある少年だから。美少年と呼べなくもないんじゃないかしら」
エフの疑問に答える彼女は、どことなく投げやりに見える。「アンタ疲れてきたんでしょ」とエフは眉を顰めた。
「もう気は済んだでしょ。さっさと自分のベッドで休みなさい」
「ダメよ。まだあの人に会ってないもの」
「ファルちゃんなんか、直接顔を見なくたって容易に分類できるでしょ? 今日はもう大人しくなさい」
「あ、ファルと言えばね!」
きゅるちゅは急に目の色を変えて、彼女に愛らしく微笑みかけた。
「この前マスターちゃんのこと、『ハンサム』って言ってたよ」
「ハンサム?」
彼女は眉を顰める。それは男性に用いる褒め言葉ではないのだろうか。
「ハンサムってね、Hand(手)+Some(〜しやすい)から作られた言葉で、手で扱いやすいって意味らしいよ。顔立ちが良いと異性を手で扱うことも容易だから、だって」
きゅるちゅは悪魔の微笑みを浮かべ、さらに言葉を続けた。
「『うちのマスターはまさにハンサムですね。あの美貌を利用して貴銃士たちを手で転がすビッチですから』って〜!! 酷くない??」
「あの人、私の言葉遣いには煩く口出しするくせに、自分はそんな下世話な俗語を使って私を貶しているのね」
遊び疲れも吹き飛ぶほどの静かな怒りが、彼女を奮い立たせる。最低ね、とエフも思わず呟いた。
ただしきゅるちゅの言う事なので、本当にファルがそんな事を言ったかどうかは定かではない。
「マスターちゃんはずーっと、僕だけの可愛いお姉ちゃんだよ♡」
きゅるちゅは天使の微笑みで彼女の首に腕を回し、その頭上に頰を擦り寄せる。
『マスター、美少女』
ナインティの掲げるボードを読むと、彼女は困ったように微笑んだ。
「美少女なんて歳ではないと思うのだけど……、どうもありがとう」
【美少年】
容貌の美しい少年。
【ハンサム(handsome)】
きゅるちゅの言う通り。通常は男性に用いる。