強さの証明
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〜強さの証明〜
私の通うヒーロー科の学校には、個性を磨く授業はもちろんあるけれど、基礎体力を鍛える授業も設けられている。
なぜなら、個性を消す個性と出くわしたとき、対策を講じるためだ。
広い体育館に並ぶ生徒たち。
「ペアになって取っ組み合いを始めろー」
先生の声が響き、私は自分より体格の良い男子生徒とペアを組むことになった。
向かい合った彼は、嫌そうに私の方をじろりと見て、わざとらしく肩を落とす。
「俺のペア、◯◯かよ。最悪」
その言葉と態度は、あからさまに私を下に見ていた。
ただ、そんなヤツは実力で黙らせればいい。
「……」
私は何も言わず、静かに構えた。
「始めっ!」
開始の合図が鳴ると同時に、一歩踏み込む。
力の差なんて関係ない。
一瞬で重心を崩し、ソイツの大きな体を見事な背負い投げで宙に舞わせた。
「うわあっ……痛っ……」
重たい音が床に響く。
巨体は、体育館の床に痛々しく転がった。
受け身を取り損ねた男子生徒は、何が起きたか理解が追いつかないのか、目をパチクリさせながら天井を見つめる。
ソイツに私は見下ろしながら言い返した。
「手応えなくて、私の方こそ最悪だわ」
私の個性は『弱点露出』。
敵の急所がまるで光って見えるようにはっきりと分かる。
だけど、見えるだけで私の肉体は普通の人間。
そのため、的確に急所を狙えるように、格闘技を身につけてきた。
だから、個性に縋るだけのヤツにはどうしても負けたくなかった。
それなのに、
「勘違いすんなよ。お、女だから本気出せなかっただけだし」
起き上がりもせず、苦し紛れの言い訳を吐き捨ててきた。
その周囲で、見物していた女子生徒たちがクスクスと笑う。
「そうだよー!手加減してもらったんでしょ?」
なんでこんな言われ方をされないといけないのか。
女が男に勝てない、なんて誰が決めたのよ。
うんざりだ。
私は強くなりたくて、幼い頃から力を磨いてきた。
オシャレもせず汗だくになりながら、痛みにだって耐えた。
“女”ってだけで本気でぶつかってさえもらえない現実。
どうにか力を証明したい。
私の力を。
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