食べると言う字
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成田さんとご飯に行った翌日。
せっかく元気づけてくれた彼女に気を遣わせたくなくて、空元気の状態で夜のシフトに入った。
日曜日なだけあって忙しい。
それが今はかえってありがたかった。
「いらっしゃいませ〜」
次から次へと来るお客様を捌いていく。
目の前の事に集中していると、あっという間に時間は過ぎていった。
そんなゾーンに入っているとき、
「すみません」
新規のお客様に声をかけられた。
「只今満席なので、名前を書いてお待ち下さい」
他の作業に囚われていたせいで、目を合わせずに記名台へ促す。
それなのに同じ人から再度呼びかけられた。
「すみません」
あまりにもしつこいため、そのお客様の顔を見ると、そこにはなんと……。
「福永さん……」
その瞬間、店内のザワザワした音が急にミュートになったかのように静かに感じた。
聞こえるのは私の煩い心臓の音。
ああ……。
私、彼のことが好きだ。
仕事中なのに、こんなこと考えている場合じゃないのに……。
何故かそう思った。
すると、
「これ」
福永さんは1枚の紙切れを渡してきた。
小さくてボソッとした言い方なのに、彼の声がやたらクリアに聞こえる。
「え……?」
「後で読んで」
それだけ言うと、彼はそそくさと店を出ていった。
「……」
握りしめられた紙切れ。
今直ぐ読みたいけれど、
「◯◯さーん!お料理運んで!その後テーブルリセット!」
「あ、はいっ!」
成田さんの呼びかけが私を現実に呼び戻す。
一気に店内のザワザワ音が耳に入ってきた。
今は仕事に集中しないと。
ーーーー
最後のお客様が帰って行くのを見送る頃には0時を過ぎていた。
どっと疲れが押し寄せる。
本当は座り込みたいけど、まだ休むわけにはいかない。
全ての片付けが終わる頃には深夜1時になっていた。
成田さんと更衣室で疲れた、と話しながら着替えると、制服のポケットから紙切れが出てきた。
「ぁ……」
忙しすぎて忘れていた。
福永さんがくれた手紙。
それを広げて中身を見る。
“9月29日18:00駅前の公園に来て ”
必要最低限のことが書かれたシンプルな内容。
私はスマホのシフト表を確認した。
すると、運悪く17時からラストまで入っていた。
でも、絶対にこの日会わないと。
そんな使命感に駆られて、次に成田さんのシフトを確認すると、空欄になっていた。
「成田さんって29日シフト入っていないですよね?」
「うん?」
「今度お詫びするので、シフト代わってもらえませんか?」
予定があるから空けていた可能性がある。
一か八かのお願い。
すると、
「いいよ」
意外にもあっさりと承諾してくれた。
あっさり過ぎて再確認するほどに。
「本当ですか?!でも、予定とかあるから空けていたんじゃ……」
「レポートがやばいかもしれないからシフト入れなかったけど、なんか◯◯さんの方が切羽詰まってそうだし?」
もしかして、私もレポートがやばいと思われている?
でも、この際何でもよかった。
「ありがとうございます!今度ご飯ご馳走します」
「焼き肉でも良い?」
「……」
「冗談だよ。またお店考えておくね」
そう言って成田さんは更衣室から出ていった。
無事にシフト変更の約束が出来て、ホッと胸を撫で下ろすと同時に、良い先輩がいる環境で良かったと、喜びを噛み締めた。
せっかく元気づけてくれた彼女に気を遣わせたくなくて、空元気の状態で夜のシフトに入った。
日曜日なだけあって忙しい。
それが今はかえってありがたかった。
「いらっしゃいませ〜」
次から次へと来るお客様を捌いていく。
目の前の事に集中していると、あっという間に時間は過ぎていった。
そんなゾーンに入っているとき、
「すみません」
新規のお客様に声をかけられた。
「只今満席なので、名前を書いてお待ち下さい」
他の作業に囚われていたせいで、目を合わせずに記名台へ促す。
それなのに同じ人から再度呼びかけられた。
「すみません」
あまりにもしつこいため、そのお客様の顔を見ると、そこにはなんと……。
「福永さん……」
その瞬間、店内のザワザワした音が急にミュートになったかのように静かに感じた。
聞こえるのは私の煩い心臓の音。
ああ……。
私、彼のことが好きだ。
仕事中なのに、こんなこと考えている場合じゃないのに……。
何故かそう思った。
すると、
「これ」
福永さんは1枚の紙切れを渡してきた。
小さくてボソッとした言い方なのに、彼の声がやたらクリアに聞こえる。
「え……?」
「後で読んで」
それだけ言うと、彼はそそくさと店を出ていった。
「……」
握りしめられた紙切れ。
今直ぐ読みたいけれど、
「◯◯さーん!お料理運んで!その後テーブルリセット!」
「あ、はいっ!」
成田さんの呼びかけが私を現実に呼び戻す。
一気に店内のザワザワ音が耳に入ってきた。
今は仕事に集中しないと。
ーーーー
最後のお客様が帰って行くのを見送る頃には0時を過ぎていた。
どっと疲れが押し寄せる。
本当は座り込みたいけど、まだ休むわけにはいかない。
全ての片付けが終わる頃には深夜1時になっていた。
成田さんと更衣室で疲れた、と話しながら着替えると、制服のポケットから紙切れが出てきた。
「ぁ……」
忙しすぎて忘れていた。
福永さんがくれた手紙。
それを広げて中身を見る。
“9月29日18:00駅前の公園に来て ”
必要最低限のことが書かれたシンプルな内容。
私はスマホのシフト表を確認した。
すると、運悪く17時からラストまで入っていた。
でも、絶対にこの日会わないと。
そんな使命感に駆られて、次に成田さんのシフトを確認すると、空欄になっていた。
「成田さんって29日シフト入っていないですよね?」
「うん?」
「今度お詫びするので、シフト代わってもらえませんか?」
予定があるから空けていた可能性がある。
一か八かのお願い。
すると、
「いいよ」
意外にもあっさりと承諾してくれた。
あっさり過ぎて再確認するほどに。
「本当ですか?!でも、予定とかあるから空けていたんじゃ……」
「レポートがやばいかもしれないからシフト入れなかったけど、なんか◯◯さんの方が切羽詰まってそうだし?」
もしかして、私もレポートがやばいと思われている?
でも、この際何でもよかった。
「ありがとうございます!今度ご飯ご馳走します」
「焼き肉でも良い?」
「……」
「冗談だよ。またお店考えておくね」
そう言って成田さんは更衣室から出ていった。
無事にシフト変更の約束が出来て、ホッと胸を撫で下ろすと同時に、良い先輩がいる環境で良かったと、喜びを噛み締めた。
