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どうしても先生に認めてもらいたかった。
子供じゃなくて、大人になった、と意識して欲しかった。
色仕掛けもダメ、家事も合理的な思考の先生にはあまり効いているようにも見えない。
そうなると、残されたのは仕事を頑張っていることを知ってもらうしかない。
私はもう先生の教え子じゃなくて、サイドキックとしてもそれなりにやれている。
そのことを……。
そうと決まれば行動あるのみ。
ーーーー
私は朝からソワソワしていた。
先生にはトイレを我慢しているのか、なんてデリカシーのないことを言われてしまうほどに。
そして、いつもよりも張り切って出勤し、現場へ向かった。
危ない場面でも率先して動いて、他のサイドキックからも、
「今日はやけに張り切ってるね」
「頼もしいね」
と声をかけてもらえるほどに。
「ありがとうございます!今日の私は一味違いますから!」
この調子で頑張っていれば、そのうち私の業績が先生の耳に届くかもしれない。
そんな浮かれた気持ちのまま、不意をついてきたヴィランに対応しようとした瞬間、足元が滑って派手に転んでしまった。
「……ッッ!?」
気が付けば腕に派手な擦り傷。
血がじんわり滲み出てきている。
「……なにやってんだろ、私」
その日の残り時間は、デスクワークに回されてしまった。
ーーーー
雨が降り始めた帰り道。
自分で自分に呆れながら帰路につく。
自然と足取りも遅くなる。
それでも、家には着くワケで、息をひそめてドアを開けた。
「た、ただいま〜……」
恐る恐るリビングに入ると、寛いでいた先生が私の怪我に気付くや否や、表情を変えずに立ち上がって近付いてきた。
「どうした、その怪我」
淡々と言われるその響きに、なぜか胸が苦しくなる。
「あ……今日ちょっと現場で……ヘマしちゃって……。でも、ちゃんとヴィランは倒しましたよ!怪我だってッッ〜〜!!」
大した事ないアピールをするために、腕をブンブン振ろうとしたけれど、思ったより痛みが強くて、思わず顔をしかめてしまった。
その様を見た先生はため息混じりに言う。
「ほら、痛いんだろ。無理するな」
私の腕をそっと持ち上げて、包帯ごしに優しく触れる。
その手付きは、昔から変わらない。
「お前は昔から抜けてるから……。油断するなって、いつも言っていただろ」
……結局、子供扱い。
どうしても大人の女性として見てほしかったのに。
悔しくて、思わず拗ねた声が出る。
「……また子供扱い」
「ガキだろうが大人だろうが、怪我すれば心配する。当たり前だろ」
その言葉に、ハッとさせられた。
そうか、私が子供だから心配したんじゃなくて、私だから心配してくれたんだ。
それだけで、腕の怪我が和らいだように感じた。
子供じゃなくて、大人になった、と意識して欲しかった。
色仕掛けもダメ、家事も合理的な思考の先生にはあまり効いているようにも見えない。
そうなると、残されたのは仕事を頑張っていることを知ってもらうしかない。
私はもう先生の教え子じゃなくて、サイドキックとしてもそれなりにやれている。
そのことを……。
そうと決まれば行動あるのみ。
ーーーー
私は朝からソワソワしていた。
先生にはトイレを我慢しているのか、なんてデリカシーのないことを言われてしまうほどに。
そして、いつもよりも張り切って出勤し、現場へ向かった。
危ない場面でも率先して動いて、他のサイドキックからも、
「今日はやけに張り切ってるね」
「頼もしいね」
と声をかけてもらえるほどに。
「ありがとうございます!今日の私は一味違いますから!」
この調子で頑張っていれば、そのうち私の業績が先生の耳に届くかもしれない。
そんな浮かれた気持ちのまま、不意をついてきたヴィランに対応しようとした瞬間、足元が滑って派手に転んでしまった。
「……ッッ!?」
気が付けば腕に派手な擦り傷。
血がじんわり滲み出てきている。
「……なにやってんだろ、私」
その日の残り時間は、デスクワークに回されてしまった。
ーーーー
雨が降り始めた帰り道。
自分で自分に呆れながら帰路につく。
自然と足取りも遅くなる。
それでも、家には着くワケで、息をひそめてドアを開けた。
「た、ただいま〜……」
恐る恐るリビングに入ると、寛いでいた先生が私の怪我に気付くや否や、表情を変えずに立ち上がって近付いてきた。
「どうした、その怪我」
淡々と言われるその響きに、なぜか胸が苦しくなる。
「あ……今日ちょっと現場で……ヘマしちゃって……。でも、ちゃんとヴィランは倒しましたよ!怪我だってッッ〜〜!!」
大した事ないアピールをするために、腕をブンブン振ろうとしたけれど、思ったより痛みが強くて、思わず顔をしかめてしまった。
その様を見た先生はため息混じりに言う。
「ほら、痛いんだろ。無理するな」
私の腕をそっと持ち上げて、包帯ごしに優しく触れる。
その手付きは、昔から変わらない。
「お前は昔から抜けてるから……。油断するなって、いつも言っていただろ」
……結局、子供扱い。
どうしても大人の女性として見てほしかったのに。
悔しくて、思わず拗ねた声が出る。
「……また子供扱い」
「ガキだろうが大人だろうが、怪我すれば心配する。当たり前だろ」
その言葉に、ハッとさせられた。
そうか、私が子供だから心配したんじゃなくて、私だから心配してくれたんだ。
それだけで、腕の怪我が和らいだように感じた。
