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仕事が終わり、急いでバッグを肩にかけ、外へ出た。
「スーパーは確か、この角を曲がって……」
慣れない土地、見慣れない通り。
地図アプリとにらめっこしながら歩いても、同じような建物ばかり続いて見分けがつかない。
焦りだけが募る。
早くしないと、先生が帰ってきちゃうのに。
気が付けば、賑やかな看板が頭の上に連なっていた。
どこからかビールジョッキを打つ音と、サラリーマンの笑い声が聞こえてくる。
「……絶対にこんなところにスーパーなんてない」
迷い込んだのは、賑やかな飲み屋街。
急いで引き返そうとしたら、不意に派手なシャツの男性が近付いてきた。
「お姉さん、ちょっと飲んでいかない?安くするから!」
「あ……いえ、間に合っていますので……」
断っているのにも関わらず、男はしつこく付いてくる。
こっちはそれどころじゃないのに。
とうとう男に道をふさがれてしまった。
「そんな冷たいこと言わないでさ、ね?1杯だけでもいいから!」
「やめてください。本当に帰りますから」
「そう言わずにさ、俺を助けると思って……ね?」
冷たい汗が背中を伝う。
そのときだった。
「ソイツは俺の連れだ。何か用か?」
低く響く声に振り返ると、そこには相澤先生が立っていた。
冷たい目つき。
それだけで人を殺せそう。
先生は私の腕を軽く取って、男の前にすっと立ちはだかる。
「……あ、いや。すみません」
先生の鋭い視線に気圧された男は舌打ちをし、足早に去っていった。
心臓の鼓動がようやく静まる。
「先生……ありがとうございます」
小さくお礼を言うと、先生はじっと私を見て、渋い声で言った。
「なんでこんな飲み屋街を歩いてたんだ」
「それは、スーパーに寄ろうとして……」
「ガキは真っ直ぐ帰ってこいよ」
その言葉が頭にきた。
「言っておきますけど、私もうお酒飲める年ですからね」
先生に叱られる筋合いはない。
それなのに、
「俺からしたら、まだまだクソガキだ」
またクソガキって……。
先生に良いところを見せたかっただけなのに。
ご飯を振る舞いたかっただけなのに。
どうしてこうも空回ってしまうのか。
結局この日はお惣菜を買って、お通夜のような空気で夕食を済ませた。
「スーパーは確か、この角を曲がって……」
慣れない土地、見慣れない通り。
地図アプリとにらめっこしながら歩いても、同じような建物ばかり続いて見分けがつかない。
焦りだけが募る。
早くしないと、先生が帰ってきちゃうのに。
気が付けば、賑やかな看板が頭の上に連なっていた。
どこからかビールジョッキを打つ音と、サラリーマンの笑い声が聞こえてくる。
「……絶対にこんなところにスーパーなんてない」
迷い込んだのは、賑やかな飲み屋街。
急いで引き返そうとしたら、不意に派手なシャツの男性が近付いてきた。
「お姉さん、ちょっと飲んでいかない?安くするから!」
「あ……いえ、間に合っていますので……」
断っているのにも関わらず、男はしつこく付いてくる。
こっちはそれどころじゃないのに。
とうとう男に道をふさがれてしまった。
「そんな冷たいこと言わないでさ、ね?1杯だけでもいいから!」
「やめてください。本当に帰りますから」
「そう言わずにさ、俺を助けると思って……ね?」
冷たい汗が背中を伝う。
そのときだった。
「ソイツは俺の連れだ。何か用か?」
低く響く声に振り返ると、そこには相澤先生が立っていた。
冷たい目つき。
それだけで人を殺せそう。
先生は私の腕を軽く取って、男の前にすっと立ちはだかる。
「……あ、いや。すみません」
先生の鋭い視線に気圧された男は舌打ちをし、足早に去っていった。
心臓の鼓動がようやく静まる。
「先生……ありがとうございます」
小さくお礼を言うと、先生はじっと私を見て、渋い声で言った。
「なんでこんな飲み屋街を歩いてたんだ」
「それは、スーパーに寄ろうとして……」
「ガキは真っ直ぐ帰ってこいよ」
その言葉が頭にきた。
「言っておきますけど、私もうお酒飲める年ですからね」
先生に叱られる筋合いはない。
それなのに、
「俺からしたら、まだまだクソガキだ」
またクソガキって……。
先生に良いところを見せたかっただけなのに。
ご飯を振る舞いたかっただけなのに。
どうしてこうも空回ってしまうのか。
結局この日はお惣菜を買って、お通夜のような空気で夕食を済ませた。
