約束はこの場所で
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実習の最終日。
医務室にはオレンジ色の夕陽が差し込んでいた。
窓際のカーテンが静かに揺れて心地よい。
私は机や棚を1つずつ丁寧に拭きながら、ここで過ごした短いけれど濃密な日々に思いを巡らせていた。
明日からはもうこの景色も見られないし、誰かの手当てをすることもない。
実習生から大学生へと戻る。
そう思うと、自然と胸の奥が少しだけきゅっとなった。
そんなとき、控えめな足音とともに、相澤君が静かに医務室へ入ってきた。
表情はいつも通り淡々としているけれど、その目もとにどこか影があるような気がした。
「どうしたの?また充血した?」
なるべく明るく聞いてみたけど、私の声も少しだけ揺れていたかもしれない。
でも、彼は私の問いには答えず、少し間を置いてから質問で返してきた。
「大学卒業したらどうするんだ?」
突然の問いかけに、私は手の動きを止め、少し考えながら答えた。
「ん〜、養護教諭かな?」
そう答えると、相澤君は机に寄りかかって、変わらないトーンで続けた。
「だったら雄英に来いよ」
彼らしい不器用な誘いに、私は思わず笑ってしまう。
「そうしたいけど……。ほら、雄英の養護教諭って最長のリカバリーガール先生じゃない? 難しいと思うな〜」
「先のことなんて、分からねぇだろ」
低く少しだけ優しい声。
私はにやりと笑って、対抗するかのように言い返した。
「それなら相澤君もここの教員を目指してよ」
彼は一瞬きょとんとした表情をして、それから小さく視線を逸らす。
戸惑ったような雰囲気が伝わってくる。
「それは……俺なんて……」
だけど、私はすぐに言葉を返す。
「先のことなんて、分からないんでしょ?」
ふっと彼と視線が合う。
お互いに顔を見合わせて、同じタイミングで笑い合った。
そして相澤君は小さく頷いた。
「そうだな」
「じゃあ、次会うときは雄英高校の教員と養護教諭だね!」
「ああ」
「約束はこの場所で」
別れの言葉なのに、不思議と悲しみはない。
むしろ、新しい始まりへの予感が心を満たしていく。
カーテンが優しく揺れる音に包まれながら、私たちだけの約束が交わされた。
「またね、未来の相澤先生」
ーーFinーー
医務室にはオレンジ色の夕陽が差し込んでいた。
窓際のカーテンが静かに揺れて心地よい。
私は机や棚を1つずつ丁寧に拭きながら、ここで過ごした短いけれど濃密な日々に思いを巡らせていた。
明日からはもうこの景色も見られないし、誰かの手当てをすることもない。
実習生から大学生へと戻る。
そう思うと、自然と胸の奥が少しだけきゅっとなった。
そんなとき、控えめな足音とともに、相澤君が静かに医務室へ入ってきた。
表情はいつも通り淡々としているけれど、その目もとにどこか影があるような気がした。
「どうしたの?また充血した?」
なるべく明るく聞いてみたけど、私の声も少しだけ揺れていたかもしれない。
でも、彼は私の問いには答えず、少し間を置いてから質問で返してきた。
「大学卒業したらどうするんだ?」
突然の問いかけに、私は手の動きを止め、少し考えながら答えた。
「ん〜、養護教諭かな?」
そう答えると、相澤君は机に寄りかかって、変わらないトーンで続けた。
「だったら雄英に来いよ」
彼らしい不器用な誘いに、私は思わず笑ってしまう。
「そうしたいけど……。ほら、雄英の養護教諭って最長のリカバリーガール先生じゃない? 難しいと思うな〜」
「先のことなんて、分からねぇだろ」
低く少しだけ優しい声。
私はにやりと笑って、対抗するかのように言い返した。
「それなら相澤君もここの教員を目指してよ」
彼は一瞬きょとんとした表情をして、それから小さく視線を逸らす。
戸惑ったような雰囲気が伝わってくる。
「それは……俺なんて……」
だけど、私はすぐに言葉を返す。
「先のことなんて、分からないんでしょ?」
ふっと彼と視線が合う。
お互いに顔を見合わせて、同じタイミングで笑い合った。
そして相澤君は小さく頷いた。
「そうだな」
「じゃあ、次会うときは雄英高校の教員と養護教諭だね!」
「ああ」
「約束はこの場所で」
別れの言葉なのに、不思議と悲しみはない。
むしろ、新しい始まりへの予感が心を満たしていく。
カーテンが優しく揺れる音に包まれながら、私たちだけの約束が交わされた。
「またね、未来の相澤先生」
ーーFinーー
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