約束はこの場所で
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1日目の実習が終わり、帰り支度を始める。
私の個性は、どちらかと言うと地味だけど、
「処置が速くて助かったわ」
と笑顔でリカバリーガール先生に褒められて、ちょっとだけ自信がついた。
……あ、そうだ。
リカバリーガール先生に、昼間気になった生徒のことを聞いてみようかな。
先生が書類に目を通している隣で、私はおずおずと声を掛けた。
「あの……先生、今日、少し気になった生徒さんがいて……」
「ん?どの子かしら?」
「黒髪で、ちょっと無愛想そうな男の子です。それから……首に包帯みたいなのを巻いていました」
「あぁ……」
先生はすぐに思い当たったようで、口元を緩めた。
「あの子は相澤消太君、ヒーロー科の2年生よ。真面目に頑張ってる子だけど、ちょっと気難しいところがあるのよね」
私は昼間のことを思い出した。
手当ての時、怪我の大きさにも関わらず表情も変えなかった。
その無口さと距離感に、なぜか少し気になるものを感じていた。
「あまり話しかけない方がいいですか?」
「そんなことないわ。ただ、人付き合いがちょっと不器用なだけ。怪我してても我慢しちゃうから、見つけたらちゃんと声をかけてあげてね」
「はい!」
先生が優しく微笑む。
「●●ちゃんの個性、とても役に立ってるわ。きっといい看護師になれるわ」
「欠点もありますけどね」
「欠点?」
「人の鉄分を操作できる代償に、自分自身の鉄分が不足しちゃうんです」
「あらあら、それは大変ね」
「だから、いつも鉄分入のドリンクを持ち歩いています」
ほら、と鞄から水筒を取り出す。
先生は、私の水筒を見て小さく笑った。
「用意周到ねぇ。それも立派な自己管理よ。ヒーローも看護師さんも、自分の体を大事にしなきゃいけないから」
「はい。前に1度、倒れかけたことがあって……それ以来は気をつけてます」
「それは賢明だわ。……でも、無理は禁物よ?困ったときは私に言ってね」
「ありがとうございます」
先生の温かい言葉に、心がほっと緩む。
医務室の外には夕日が差し込み、今日1日の出来事を思い返すと、不思議とまた明日が楽しみになってきた。
「明日も、きっと忙しいわよ。●●ちゃん、よろしく頼むわね」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
自分の個性にも、私なりに誇れる部分がある。
明日は、今日より少しだけ自信を持って生徒たちに向き合えそうだ。
特にあの黒髪の、ちょっと気になる生徒に。
こうして、私の雄英高校での実習1日目が無事に終わった。
私の個性は、どちらかと言うと地味だけど、
「処置が速くて助かったわ」
と笑顔でリカバリーガール先生に褒められて、ちょっとだけ自信がついた。
……あ、そうだ。
リカバリーガール先生に、昼間気になった生徒のことを聞いてみようかな。
先生が書類に目を通している隣で、私はおずおずと声を掛けた。
「あの……先生、今日、少し気になった生徒さんがいて……」
「ん?どの子かしら?」
「黒髪で、ちょっと無愛想そうな男の子です。それから……首に包帯みたいなのを巻いていました」
「あぁ……」
先生はすぐに思い当たったようで、口元を緩めた。
「あの子は相澤消太君、ヒーロー科の2年生よ。真面目に頑張ってる子だけど、ちょっと気難しいところがあるのよね」
私は昼間のことを思い出した。
手当ての時、怪我の大きさにも関わらず表情も変えなかった。
その無口さと距離感に、なぜか少し気になるものを感じていた。
「あまり話しかけない方がいいですか?」
「そんなことないわ。ただ、人付き合いがちょっと不器用なだけ。怪我してても我慢しちゃうから、見つけたらちゃんと声をかけてあげてね」
「はい!」
先生が優しく微笑む。
「●●ちゃんの個性、とても役に立ってるわ。きっといい看護師になれるわ」
「欠点もありますけどね」
「欠点?」
「人の鉄分を操作できる代償に、自分自身の鉄分が不足しちゃうんです」
「あらあら、それは大変ね」
「だから、いつも鉄分入のドリンクを持ち歩いています」
ほら、と鞄から水筒を取り出す。
先生は、私の水筒を見て小さく笑った。
「用意周到ねぇ。それも立派な自己管理よ。ヒーローも看護師さんも、自分の体を大事にしなきゃいけないから」
「はい。前に1度、倒れかけたことがあって……それ以来は気をつけてます」
「それは賢明だわ。……でも、無理は禁物よ?困ったときは私に言ってね」
「ありがとうございます」
先生の温かい言葉に、心がほっと緩む。
医務室の外には夕日が差し込み、今日1日の出来事を思い返すと、不思議とまた明日が楽しみになってきた。
「明日も、きっと忙しいわよ。●●ちゃん、よろしく頼むわね」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
自分の個性にも、私なりに誇れる部分がある。
明日は、今日より少しだけ自信を持って生徒たちに向き合えそうだ。
特にあの黒髪の、ちょっと気になる生徒に。
こうして、私の雄英高校での実習1日目が無事に終わった。
