約束はこの場所で
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ほどなくして、戦闘訓練を終えたらしいヒーロー科の生徒たちが、ワイワイと医務室へと押し寄せてきた。
捻挫、擦り傷、切り傷。
中には歩行すらツラそうな子の姿もちらほら。
「●●ちゃん、あの子の手当てお願いできる?多分切り傷だから、止血とカバーで充分よ」
「はい!」
先生は瞬時に生徒たちの怪我の程度を見極め、私にも担当を割り振ってくれる。
「お、お願いします」
私の目の前に腰掛けた最初の患者は、険しい表情の女子生徒だった。
「ちょっと冷たいけど、すぐに終わりますからね」
緊張を解すように声を掛けながら処置をする。
患部を清潔にし、個性で止血し、丁寧に消毒。
すると、
「うわー、もう痛くない!ありがとうございます!」
先ほどまで険しかった彼女の表情が、パーっと明るく笑顔になった。
それがとても嬉しかった。
1人目の治療が終わったところで周囲を見渡すと、生徒たちが次々とやってきて、医務室はあっという間に賑やかになる。
その中に、ひときわ静かに順番待ちをしている黒髪の男子生徒がいた。
無造作な髪に少し眠たそうな目。
どこか周囲と距離を取っている。
そんな彼の治療の番がきた。
「怪我を診せてください」
手首を差し出した彼。
涼しい顔を見せていたくせに、患部の傷は思ったよりも深そうだった。
これは私ではなく、リカバリーガール先生に頼んだ方がいいかもしれない。
だけど、チラリと彼女を見ると、重症な生徒の治療に追われていた。
……頼みづらい。
もしかしたら、思ったよりも軽度で、私が対処できる可能性もある。
試しに、
「痛いですか?」
と尋ねたら、彼はただ首を横に振るだけ。
それならば、と私は同じように患部を清潔にしてから、止血と消毒を施した。
「ありがとうございます」
「あ、はい」
私にも対処できてよかった。
彼はスッと立ち上がると、静かに医務室を出ていった。
それにしても、ヒーロー科の生徒さんたちって、もっと明るいイメージだったのに、彼みたいな人もいるんだな。
「……」
「次、私も診てもらってもいいですか?」
ぼんやりと彼が出ていった扉を見つめていると、いつの間にか次の生徒が目の前に来ていた。
「あ、ごめんなさい。怪我を診せてください」
彼のことが気になるけれど、今は目の前の生徒に集中しないと。
捻挫、擦り傷、切り傷。
中には歩行すらツラそうな子の姿もちらほら。
「●●ちゃん、あの子の手当てお願いできる?多分切り傷だから、止血とカバーで充分よ」
「はい!」
先生は瞬時に生徒たちの怪我の程度を見極め、私にも担当を割り振ってくれる。
「お、お願いします」
私の目の前に腰掛けた最初の患者は、険しい表情の女子生徒だった。
「ちょっと冷たいけど、すぐに終わりますからね」
緊張を解すように声を掛けながら処置をする。
患部を清潔にし、個性で止血し、丁寧に消毒。
すると、
「うわー、もう痛くない!ありがとうございます!」
先ほどまで険しかった彼女の表情が、パーっと明るく笑顔になった。
それがとても嬉しかった。
1人目の治療が終わったところで周囲を見渡すと、生徒たちが次々とやってきて、医務室はあっという間に賑やかになる。
その中に、ひときわ静かに順番待ちをしている黒髪の男子生徒がいた。
無造作な髪に少し眠たそうな目。
どこか周囲と距離を取っている。
そんな彼の治療の番がきた。
「怪我を診せてください」
手首を差し出した彼。
涼しい顔を見せていたくせに、患部の傷は思ったよりも深そうだった。
これは私ではなく、リカバリーガール先生に頼んだ方がいいかもしれない。
だけど、チラリと彼女を見ると、重症な生徒の治療に追われていた。
……頼みづらい。
もしかしたら、思ったよりも軽度で、私が対処できる可能性もある。
試しに、
「痛いですか?」
と尋ねたら、彼はただ首を横に振るだけ。
それならば、と私は同じように患部を清潔にしてから、止血と消毒を施した。
「ありがとうございます」
「あ、はい」
私にも対処できてよかった。
彼はスッと立ち上がると、静かに医務室を出ていった。
それにしても、ヒーロー科の生徒さんたちって、もっと明るいイメージだったのに、彼みたいな人もいるんだな。
「……」
「次、私も診てもらってもいいですか?」
ぼんやりと彼が出ていった扉を見つめていると、いつの間にか次の生徒が目の前に来ていた。
「あ、ごめんなさい。怪我を診せてください」
彼のことが気になるけれど、今は目の前の生徒に集中しないと。
