〜第二章〜 三つの赤い宝石
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時は少し遡り、フォルテシモがピアノとメゾを避難させた後のこと。
「この辺まで下がれば大丈夫だろう」
息を整えながら辺りを見回すピアノ。
その隣ではメゾが険しい表情を崩さない。
「あの……メゾ」
「なんだ」
「大柄な男が見当たらないんだけど」
「あ?大柄な男?」
ピアノの頭には先ほどの小柄な男、ヴィバーチェの姿が浮かぶ。
しかし、彼が一人きりで襲撃に来るとは到底思えなかった。
ヴィバーチェとフォルテシモが互角の戦いになれば、ピアノが持つテルセの宝石を回収する者が必要になる。
それには別の協力者、つまりあの大柄な男が不可欠だ。
顔見知りの二人。
過去に何があったのかは知らないが、互いの実力はある程度把握しているはず。
そうなると、なおさら単独行動は考えにくい。
「ちょっとうまく説明できないけど、少なくとももう一人敵がいると思うの。メゾなら探知できたりしない?」
「そんなこと言われても、そこらじゅう歪みの形跡だらけだし……」
メゾは苦々しげに答える。
何より、フォルテシモほどの実力はメゾにはなかった。
「そっか……難しいのか……」
あからさまに残念そうな表情を見せるピアノ。
その顔にメゾは思わずむっとした。
まるで「フォルテシモの一番弟子なのにそんなこともできないの?」と言われているみたいだからだ。
「できないとは言ってない!見てろよ!」
メゾは目を閉じ、深く息を吸い込んで集中する。
開ききった歪みは後回しにして、これから発生する可能性のある歪みを探す。
ピアノを中心に、その周囲へと意識を少しずつ広げる。
……あれは違う。こっちは……違う。
「メゾ!」
「……」
「ねえ、メゾったら!」
ピアノの呼びかけも耳に入らず、さらに肩をゆすられても動じない。
「うるさいな、集中できないだろう!」
「でも、鼻血出てるよ」
「!?」
驚いて袖で鼻を擦ると、思いのほか真っ赤な血が服についた。
どうやら集中しすぎて鼻の血管が切れてしまったらしい。
「こんなの大した……ピアノ!後ろ!」
「え?」
メゾがピアノの方へ振り向くと、彼女のすぐ背後から、太い腕がぬっと伸びてきた。
その腕が瞬時にピアノを捕えた。
「きゃーっ!離して!」
「大人しくしろ!」
現れたのは例の大柄な男、ラルゴだ。
彼はメゾの探知を巧みにかいくぐり、ピアノの背後に歪みを作って姿を現したのだった。
「ピアノを離せ!」
メゾは叫ぶと、ラルゴの前に立ちふさがった。
その体格差は明らか。
しかし、メゾは怯まない。
「邪魔だ」
ラルゴが低くうなる。
その大きな腕が、ゆっくりと振り上げられた。
来るっ……!
直感的な恐怖。
だが、メゾも覚悟を決めて腰を落とした。
幼いころからフォルテシモに鍛えられた自身の経験を信じ、ラルゴの攻撃を横に跳んでかわす。
ドンッ!
次の瞬間、ラルゴの腕が空を切ると同時に、そこに歪みが発生した。
空間がぬるりと裂け、黒い亀裂が生まれる。
危うくその間際をすり抜けたメゾ。
もしタイミングを外していれば、今ごろその歪みに真っ二つに裂けていただろう。
「メゾ、気をつけて!」
ピアノが叫ぶ。
「分かってる!」
メゾは大きく息を吸い、ラルゴの周囲を素早く動く。
だか、見た目にに使わずラルゴもなかなかの俊敏な動きで対応してくる。
これでは埒が明かないと思ったメゾは勝負を仕掛けることにした。
しかし、飛びかかろうとした瞬間、ラルゴがもう一度、今度は反対の腕を振るう。
歪みはメゾの足元目掛けて放たれ、メゾの足元がぐらっと揺れる。
「くっ!」
バランスを崩したところを、ラルゴの手が容赦なく掴みにくる。
メゾは身をよじり、なんとか逃れようとしたが、到底その腕力には敵わなかった。
あっという間に首根っこを押さえつけられる。
「このまま力を入れたら、どうなるかな?」
ラルゴは低く笑うと、宣言通り手に力を込めた。
「ぐっ……がっ……!」
途端に、メゾは泡を吹き意識を失った。
「メゾ……メゾ……!いやぁー!メゾー!」
ピアノの悲痛の叫びはメゾには届かない。
「ああ、うるさいな。気絶しているだけだよ。お前も少し黙ろうか」
ラルゴはメゾを抱きかかえている腕にも力を込めた。
「あっ……かっ……」
瞬く間にぐったりとしたピアノ。
ふたりともピクリともしない。
「余計な時間をかけさせやがって……」
そう吐き捨てて、ラルゴはふたりを抱え、歪みの中へと消えていった。
取り残された空間には、不安と悔しさだけが残された。
「この辺まで下がれば大丈夫だろう」
息を整えながら辺りを見回すピアノ。
その隣ではメゾが険しい表情を崩さない。
「あの……メゾ」
「なんだ」
「大柄な男が見当たらないんだけど」
「あ?大柄な男?」
ピアノの頭には先ほどの小柄な男、ヴィバーチェの姿が浮かぶ。
しかし、彼が一人きりで襲撃に来るとは到底思えなかった。
ヴィバーチェとフォルテシモが互角の戦いになれば、ピアノが持つテルセの宝石を回収する者が必要になる。
それには別の協力者、つまりあの大柄な男が不可欠だ。
顔見知りの二人。
過去に何があったのかは知らないが、互いの実力はある程度把握しているはず。
そうなると、なおさら単独行動は考えにくい。
「ちょっとうまく説明できないけど、少なくとももう一人敵がいると思うの。メゾなら探知できたりしない?」
「そんなこと言われても、そこらじゅう歪みの形跡だらけだし……」
メゾは苦々しげに答える。
何より、フォルテシモほどの実力はメゾにはなかった。
「そっか……難しいのか……」
あからさまに残念そうな表情を見せるピアノ。
その顔にメゾは思わずむっとした。
まるで「フォルテシモの一番弟子なのにそんなこともできないの?」と言われているみたいだからだ。
「できないとは言ってない!見てろよ!」
メゾは目を閉じ、深く息を吸い込んで集中する。
開ききった歪みは後回しにして、これから発生する可能性のある歪みを探す。
ピアノを中心に、その周囲へと意識を少しずつ広げる。
……あれは違う。こっちは……違う。
「メゾ!」
「……」
「ねえ、メゾったら!」
ピアノの呼びかけも耳に入らず、さらに肩をゆすられても動じない。
「うるさいな、集中できないだろう!」
「でも、鼻血出てるよ」
「!?」
驚いて袖で鼻を擦ると、思いのほか真っ赤な血が服についた。
どうやら集中しすぎて鼻の血管が切れてしまったらしい。
「こんなの大した……ピアノ!後ろ!」
「え?」
メゾがピアノの方へ振り向くと、彼女のすぐ背後から、太い腕がぬっと伸びてきた。
その腕が瞬時にピアノを捕えた。
「きゃーっ!離して!」
「大人しくしろ!」
現れたのは例の大柄な男、ラルゴだ。
彼はメゾの探知を巧みにかいくぐり、ピアノの背後に歪みを作って姿を現したのだった。
「ピアノを離せ!」
メゾは叫ぶと、ラルゴの前に立ちふさがった。
その体格差は明らか。
しかし、メゾは怯まない。
「邪魔だ」
ラルゴが低くうなる。
その大きな腕が、ゆっくりと振り上げられた。
来るっ……!
直感的な恐怖。
だが、メゾも覚悟を決めて腰を落とした。
幼いころからフォルテシモに鍛えられた自身の経験を信じ、ラルゴの攻撃を横に跳んでかわす。
ドンッ!
次の瞬間、ラルゴの腕が空を切ると同時に、そこに歪みが発生した。
空間がぬるりと裂け、黒い亀裂が生まれる。
危うくその間際をすり抜けたメゾ。
もしタイミングを外していれば、今ごろその歪みに真っ二つに裂けていただろう。
「メゾ、気をつけて!」
ピアノが叫ぶ。
「分かってる!」
メゾは大きく息を吸い、ラルゴの周囲を素早く動く。
だか、見た目にに使わずラルゴもなかなかの俊敏な動きで対応してくる。
これでは埒が明かないと思ったメゾは勝負を仕掛けることにした。
しかし、飛びかかろうとした瞬間、ラルゴがもう一度、今度は反対の腕を振るう。
歪みはメゾの足元目掛けて放たれ、メゾの足元がぐらっと揺れる。
「くっ!」
バランスを崩したところを、ラルゴの手が容赦なく掴みにくる。
メゾは身をよじり、なんとか逃れようとしたが、到底その腕力には敵わなかった。
あっという間に首根っこを押さえつけられる。
「このまま力を入れたら、どうなるかな?」
ラルゴは低く笑うと、宣言通り手に力を込めた。
「ぐっ……がっ……!」
途端に、メゾは泡を吹き意識を失った。
「メゾ……メゾ……!いやぁー!メゾー!」
ピアノの悲痛の叫びはメゾには届かない。
「ああ、うるさいな。気絶しているだけだよ。お前も少し黙ろうか」
ラルゴはメゾを抱きかかえている腕にも力を込めた。
「あっ……かっ……」
瞬く間にぐったりとしたピアノ。
ふたりともピクリともしない。
「余計な時間をかけさせやがって……」
そう吐き捨てて、ラルゴはふたりを抱え、歪みの中へと消えていった。
取り残された空間には、不安と悔しさだけが残された。
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