〜第二章〜 三つの赤い宝石
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目を開くと、ヴィバーチェは倒れていなかった。
フォルテシモは負けを悟った。
もう歪みを繰り出す体力が残されていない。
しかし、それは相手も同じだったようで、
「降参」
両手上げたヴィバーチェ。
「もう歪みを出せないし、この通り足もやられちまった。とどめを刺すなら今だぜ?」
「……実は私も同じだ」
「はっ、なんだ。互角かよ。結局俺たちはあの頃と何も変わっていないな」
「ああ……」
あの頃とは魔法省の頃……よりも昔、魔法学校へ通っていた頃のことだ。
切磋琢磨して技術を磨き上げてきたけれど、結局卒業して今まで勝負がついたことはなかった。
「久しぶりにお前とやりあえて楽しかったよ」
「私もだ」
先ほどまで殺し合っていたとは思えない、穏やかな空気が流れる。
「なあ、聞いていいか」
「なんだ」
「なんで魔法省から姿を消した」
長年フォルテシモが疑問に思っていたこと。
ヴィバーチェが魔法省を辞めていなければ、今頃フォルテシモと二人で仲良くやっていた。
そして、例のテルセも管理していたであろう。
「ああ、そんなこと。……退屈だったんだ」
「退屈?」
「堅苦しい魔法省に縛られて、生活は安定していたけれど張り合いがなくて、心は死んでいた」
「だけど、それだけでなんでこんなことを!?」
こんな魔法省とはかけ離れた行いを。
「……アイツに会ったんだ」
「アイツ……」
ヴィバーチェの言うアイツが今回の元凶なのか。
「フォルテシモ、フェルマータへ向かえ。俺が言えるのはここまで」
「なんでそこまでしてくれるんだ」
「俺、ただお前と本気でやり合いたかっただけなのかもしれないな。だが、もう充分だ」
ヴィバーチェは遠い過去を見つめた。
「俺、この戦いから降りるわ。どの道アイツとは反りが合わなかった。やっぱり俺はお前といるときが一番楽しかったのかもしれない」
「今ならまだ戻れる!」
「それは無理だ」
ヴィバーチェは腕を振り下ろし、歪みを発生させてどこかへと繋がる道を開くと、
「じゃあ、また会う日まで……親友」
振り向かずにそれだけ言うと、歪みの中へと消えていった。
「ヴィバーチェ……。そうだ二人は」
フォルテシモは二人の姿を探した。
「メゾー?ピアノー?もう出てきても大丈夫だよ」
しかし、返事どころか人の気配すらない。
フォルテシモは目を閉じて歪みの形跡を探った。
すると、不自然に歪みが作り出された箇所があった。
戦闘の被害が及んだとは思えない。
「ヴィバーチェ……やりやがったな」
そう、ヴィバーチェはフォルテシモとの戦闘で揺動をしていた。
その隙を狙ってピアノの側に歪みから現れたラルゴが彼女を攫ったのだ。
本来ならばピアノだけを攫いたかったはずのラルゴだったが、メゾともども連れて行ったことになる。
「2人共、無事でいてくれ」
フォルテシモの一番弟子であるメゾ。
フォルテシモほどではないが、メゾも歪みを使える。
仮にどこかの歪みの果てに放り出されても帰ることは出来る。
問題はピアノ。
敵の目的はピアノ自身ではなく彼女が持っているテルセの宝石。
テルセを回収してしまえばピアノは用済みになる。
非力でか弱い彼女。
彼女がどんな扱いを受けるのか、想像するに耐え難い。
しかし、こんな怪我を負ったまま敵陣に乗り込むのは悪手。
はやる気持ちを抑え、フォルテシモは1度スタッカート城へと戻ることにした。
フォルテシモは負けを悟った。
もう歪みを繰り出す体力が残されていない。
しかし、それは相手も同じだったようで、
「降参」
両手上げたヴィバーチェ。
「もう歪みを出せないし、この通り足もやられちまった。とどめを刺すなら今だぜ?」
「……実は私も同じだ」
「はっ、なんだ。互角かよ。結局俺たちはあの頃と何も変わっていないな」
「ああ……」
あの頃とは魔法省の頃……よりも昔、魔法学校へ通っていた頃のことだ。
切磋琢磨して技術を磨き上げてきたけれど、結局卒業して今まで勝負がついたことはなかった。
「久しぶりにお前とやりあえて楽しかったよ」
「私もだ」
先ほどまで殺し合っていたとは思えない、穏やかな空気が流れる。
「なあ、聞いていいか」
「なんだ」
「なんで魔法省から姿を消した」
長年フォルテシモが疑問に思っていたこと。
ヴィバーチェが魔法省を辞めていなければ、今頃フォルテシモと二人で仲良くやっていた。
そして、例のテルセも管理していたであろう。
「ああ、そんなこと。……退屈だったんだ」
「退屈?」
「堅苦しい魔法省に縛られて、生活は安定していたけれど張り合いがなくて、心は死んでいた」
「だけど、それだけでなんでこんなことを!?」
こんな魔法省とはかけ離れた行いを。
「……アイツに会ったんだ」
「アイツ……」
ヴィバーチェの言うアイツが今回の元凶なのか。
「フォルテシモ、フェルマータへ向かえ。俺が言えるのはここまで」
「なんでそこまでしてくれるんだ」
「俺、ただお前と本気でやり合いたかっただけなのかもしれないな。だが、もう充分だ」
ヴィバーチェは遠い過去を見つめた。
「俺、この戦いから降りるわ。どの道アイツとは反りが合わなかった。やっぱり俺はお前といるときが一番楽しかったのかもしれない」
「今ならまだ戻れる!」
「それは無理だ」
ヴィバーチェは腕を振り下ろし、歪みを発生させてどこかへと繋がる道を開くと、
「じゃあ、また会う日まで……親友」
振り向かずにそれだけ言うと、歪みの中へと消えていった。
「ヴィバーチェ……。そうだ二人は」
フォルテシモは二人の姿を探した。
「メゾー?ピアノー?もう出てきても大丈夫だよ」
しかし、返事どころか人の気配すらない。
フォルテシモは目を閉じて歪みの形跡を探った。
すると、不自然に歪みが作り出された箇所があった。
戦闘の被害が及んだとは思えない。
「ヴィバーチェ……やりやがったな」
そう、ヴィバーチェはフォルテシモとの戦闘で揺動をしていた。
その隙を狙ってピアノの側に歪みから現れたラルゴが彼女を攫ったのだ。
本来ならばピアノだけを攫いたかったはずのラルゴだったが、メゾともども連れて行ったことになる。
「2人共、無事でいてくれ」
フォルテシモの一番弟子であるメゾ。
フォルテシモほどではないが、メゾも歪みを使える。
仮にどこかの歪みの果てに放り出されても帰ることは出来る。
問題はピアノ。
敵の目的はピアノ自身ではなく彼女が持っているテルセの宝石。
テルセを回収してしまえばピアノは用済みになる。
非力でか弱い彼女。
彼女がどんな扱いを受けるのか、想像するに耐え難い。
しかし、こんな怪我を負ったまま敵陣に乗り込むのは悪手。
はやる気持ちを抑え、フォルテシモは1度スタッカート城へと戻ることにした。
