〜第二章〜 三つの赤い宝石
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崩れるように座り込むピアノ。
「わ、私の家が……」
この家にはたくさんの思い出があった。
亡き両親が残した家。
その全てが一瞬にして瓦礫と化したのだ。
ピアノは残影を追い求めるように玄関だった場所へと足を動かす。
「危ないから近づくな!」
「いや!離して!」
メゾによって腕を掴まれ、抵抗するもびくともしない。
「世界とかどうでもいい……私にはこの小さな家が世界の全てだったのに……」
「落ち込んでいるところ悪いけど、感傷に浸っている場合じゃないみたいだ」
フォルテシモの視線の先には一つの時空の歪み。
そして、そこから男が出てきた。
ピアノの証言通り黒スーツを着た小柄な男。
「違って欲しかったが……ヴィバーチェ、お前だったか」
「久しぶりだな、フォルテシモ……と、そこのお嬢ちゃん」
ヴィバーチェはフォルテシモから視線をピアノへ移した。
小柄なのに威圧感がある彼の眼力にピアノは思わず体を震わせる。
その様子を見たメゾはフォルテシモに尋ねた。
「その男と知り合いなのか?」
メゾですらフォルテシモとヴィバーチェの関係を知らない。
「昔、ちょっとね」
フォルテシモとヴィバーチェは魔法省に所属していた過去がある。
そこで切磋琢磨してお互いの力を磨いていたけれど、ヴィバーチェは突如として姿を消した。
そして、後を追いかけるようにフォルテシモも魔法省を辞任した。
「失踪したと思ったら、何を企んでいる。いや、そんなことよりお前一人か」
ピアノの話では二組の男と聞いていたが、大柄な男の姿が見当たらない。
「見た通り俺一人だ。歪みの形跡も見えなくなったのか。会わないうちに腕が鈍ったな」
形跡が見えないのではなく、正確にはありすぎて分からない。
そこら中に歪みが生成された跡が残っている。
いるのかも分からない大柄な男を探すために、一つ一つの形跡を確認している時間はない。
フォルテシモはひとまず目の前の敵に集中することにした。
「二人共、私から離れていて。メゾ、ピアノを頼んだよ」
「任せて」
メゾはピアノを立ち上がらせて、危険が及ばない位置まで離れた。
それを見届けたフォルテシモは鋭い瞳をヴィバーチェへと向ける。
「昔のお前なら待たずに攻撃していたのに、そう言うお前の方こそ腕が鈍ったんじゃないのか」
「ははは、好きに言えばいいさ」
どちらも動かず、緊迫した状態が続く。
しかし戦いは既に始まっている。
「……」
「……」
フォルテシモの頬を一筋の汗が落ちた。
それを合図かのように、先に勝負を仕掛けてきたのはヴィバーチェの方だった。
彼が腕を振り下ろすと地面に亀裂が走った。
ピアノの家を荒らし、そして崩壊させたものと同じ攻撃。
ヴィバーチェは空間の亀裂を視認し、それを意識的に広げているのだ。
この空間断裂に伴う衝撃波で全方位から極一点までの正確な範囲攻撃を可能とする。
これが歪みを使った攻撃の正体。
フォルテシモはヴィバーチェの攻撃を間一髪で避けた。
家を崩壊させるほどの威力のため、これが当たっていればひとたまりもない。
すかさず、フォルテシモも反撃に転じた。
素早く腕を振るい、空間を歪ませて、衝撃波を放つ。
ヴィバーチェも避けようと足を動かすが、ぬかるんだ地面に足を取られて出遅れてしまった。
体勢を崩したが、フォルテシモが放った衝撃波に自らの衝撃波をぶつけて正面衝突。
爆発音が空を裂く。
二つの衝撃波が激突し、凄まじい風圧と土砂を巻き上げ、林が大きく揺らいだ。
付近の地面は抉れ、数本の木が根元からなぎ倒され、岩は木端微塵に砕け飛んだ。
だてに魔法省に勤めていただけあって、二人の繰り出す一撃一撃は、常人離れした破壊力を孕んでいる。
しかし、その膨大な力も、当たらなければ意味がない。
「腕が落ちていないようで安心したよ」
「お前もな」
戦い合っているのに、どこか嬉しそうな2人。
まるで昔を懐かしんでいるような。
だが、情に溺れる隙は無い。
互いに攻撃の手を止めず、次々と歪みの衝撃波を繰り出す。
一投ごとに地面が穿たれ、倒木が積み重なり、あたりの景色は次第に荒野と化してゆく。
その惨状は戦闘の激しさを物語っているようだった。
だがどれほど鋭い一撃も、かすめるだけで、決定打には至らない。
やがて、疲労ばかりが両者の身体に積み重なっていく。
「はぁ……はぁ……」
歪みを発生させる体力も残りわずか。
ヴィバーチェが放った衝撃波を掠めた左腕を押さえながら、フォルテシモは最後の力を振り絞った。
ヴィバーチェも足を引きずりながら衝撃波をぶつける。
衝撃による風圧で目が開けられない。
「わ、私の家が……」
この家にはたくさんの思い出があった。
亡き両親が残した家。
その全てが一瞬にして瓦礫と化したのだ。
ピアノは残影を追い求めるように玄関だった場所へと足を動かす。
「危ないから近づくな!」
「いや!離して!」
メゾによって腕を掴まれ、抵抗するもびくともしない。
「世界とかどうでもいい……私にはこの小さな家が世界の全てだったのに……」
「落ち込んでいるところ悪いけど、感傷に浸っている場合じゃないみたいだ」
フォルテシモの視線の先には一つの時空の歪み。
そして、そこから男が出てきた。
ピアノの証言通り黒スーツを着た小柄な男。
「違って欲しかったが……ヴィバーチェ、お前だったか」
「久しぶりだな、フォルテシモ……と、そこのお嬢ちゃん」
ヴィバーチェはフォルテシモから視線をピアノへ移した。
小柄なのに威圧感がある彼の眼力にピアノは思わず体を震わせる。
その様子を見たメゾはフォルテシモに尋ねた。
「その男と知り合いなのか?」
メゾですらフォルテシモとヴィバーチェの関係を知らない。
「昔、ちょっとね」
フォルテシモとヴィバーチェは魔法省に所属していた過去がある。
そこで切磋琢磨してお互いの力を磨いていたけれど、ヴィバーチェは突如として姿を消した。
そして、後を追いかけるようにフォルテシモも魔法省を辞任した。
「失踪したと思ったら、何を企んでいる。いや、そんなことよりお前一人か」
ピアノの話では二組の男と聞いていたが、大柄な男の姿が見当たらない。
「見た通り俺一人だ。歪みの形跡も見えなくなったのか。会わないうちに腕が鈍ったな」
形跡が見えないのではなく、正確にはありすぎて分からない。
そこら中に歪みが生成された跡が残っている。
いるのかも分からない大柄な男を探すために、一つ一つの形跡を確認している時間はない。
フォルテシモはひとまず目の前の敵に集中することにした。
「二人共、私から離れていて。メゾ、ピアノを頼んだよ」
「任せて」
メゾはピアノを立ち上がらせて、危険が及ばない位置まで離れた。
それを見届けたフォルテシモは鋭い瞳をヴィバーチェへと向ける。
「昔のお前なら待たずに攻撃していたのに、そう言うお前の方こそ腕が鈍ったんじゃないのか」
「ははは、好きに言えばいいさ」
どちらも動かず、緊迫した状態が続く。
しかし戦いは既に始まっている。
「……」
「……」
フォルテシモの頬を一筋の汗が落ちた。
それを合図かのように、先に勝負を仕掛けてきたのはヴィバーチェの方だった。
彼が腕を振り下ろすと地面に亀裂が走った。
ピアノの家を荒らし、そして崩壊させたものと同じ攻撃。
ヴィバーチェは空間の亀裂を視認し、それを意識的に広げているのだ。
この空間断裂に伴う衝撃波で全方位から極一点までの正確な範囲攻撃を可能とする。
これが歪みを使った攻撃の正体。
フォルテシモはヴィバーチェの攻撃を間一髪で避けた。
家を崩壊させるほどの威力のため、これが当たっていればひとたまりもない。
すかさず、フォルテシモも反撃に転じた。
素早く腕を振るい、空間を歪ませて、衝撃波を放つ。
ヴィバーチェも避けようと足を動かすが、ぬかるんだ地面に足を取られて出遅れてしまった。
体勢を崩したが、フォルテシモが放った衝撃波に自らの衝撃波をぶつけて正面衝突。
爆発音が空を裂く。
二つの衝撃波が激突し、凄まじい風圧と土砂を巻き上げ、林が大きく揺らいだ。
付近の地面は抉れ、数本の木が根元からなぎ倒され、岩は木端微塵に砕け飛んだ。
だてに魔法省に勤めていただけあって、二人の繰り出す一撃一撃は、常人離れした破壊力を孕んでいる。
しかし、その膨大な力も、当たらなければ意味がない。
「腕が落ちていないようで安心したよ」
「お前もな」
戦い合っているのに、どこか嬉しそうな2人。
まるで昔を懐かしんでいるような。
だが、情に溺れる隙は無い。
互いに攻撃の手を止めず、次々と歪みの衝撃波を繰り出す。
一投ごとに地面が穿たれ、倒木が積み重なり、あたりの景色は次第に荒野と化してゆく。
その惨状は戦闘の激しさを物語っているようだった。
だがどれほど鋭い一撃も、かすめるだけで、決定打には至らない。
やがて、疲労ばかりが両者の身体に積み重なっていく。
「はぁ……はぁ……」
歪みを発生させる体力も残りわずか。
ヴィバーチェが放った衝撃波を掠めた左腕を押さえながら、フォルテシモは最後の力を振り絞った。
ヴィバーチェも足を引きずりながら衝撃波をぶつける。
衝撃による風圧で目が開けられない。
