人探し2日目。


「今日もよろしくお願いします！」


明日から仕事だから、できれば今日中に見つかってほしい。


「ほな、早速雄英高校行こうか！」


今日も相変わらず元気なファットガムさん。
見ているだけでこっちまで元気になる。

昨日言っていた通り、雄英高校の生徒である環さんは私が話た特徴と似た生徒を紹介してくれた。


「どうですか？この中にいますか？」

「うーん、いない」

「そうですか……」


ファットガムさんだけでなく、環さんにも申し訳なくなってくる。

そんなとき、


「環ー！」


金髪の青年が環さんの名前を呼びながらこちらへ向かってきた。


「ミリオ……」

「環、何してるんだ？」

「彼女の依頼で人探しをしているんだ」


ミリオと呼ばれた彼。
あんなにふざけた顔をしていなかったけれど、なんとなく助けてくれた人と似たものを感じた。


「なんや、●●ちゃん、ミリオの顔をじっと見て。もしかしてミリオなんか？！そうなんか？！」

「関西弁じゃないから候補から外していたけど、まさか……」


どうなの？と迫ってくるファットガムさんと環さんに、状況が飲み込めていないミリオさん。


「えっ……えっ……」


確かに彼は頼もしい背中、シュッとしたスタイル、明るい声だけれど、


「ち、違います！彼じゃないです！助けてくれた彼はもっと格好良かったです！」

「どわははっ！ミリオ、どんまいやで！」


ずーんっと落ち込むミリオさんに対して大笑いしているファットガムさん。

無意識に失礼なことを言ってしまった。
ふざけた顔だとは思ったけれども。


「あ、あ、あ、すみません！」

「いいよ、どうせ俺は格好良くないさ……」


そんなことがありつつも、結局雄英高校を始め関東でも該当する生徒は見つからなかった。