脂肪=幸せの量
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太志郎さんは膨れたお腹をさすりながら話し始めた。
「せやった!実はな……」
「実は?」
「俺、プロヒーローやねん!」
「……えっ、あ、そうなんですね!?」
あまりに唐突な告白に、私は一瞬フリーズしてしまった。
だけど、思い返せば合点が行くことばかりだ。
あのボロボロの格好も、突発な深夜の呼び出しも、そして何より、この圧倒的なまでの体格。
私がヒーローに疎くて気付かなかっただけで、店の従業員の何人かは、きっと彼の正体に気づいてニヤニヤしていたに違いない。
「あれ?なんや、思ってた反応とちゃうなぁ……。もっと腰抜かすくらい驚かれると思ったんやけど」
太志郎さんは、期待外れだと言わんばかりに首を傾げた。
「あ、いえ、驚いてはいます!驚いてはいるんですけど……」
「……?」
「その、もっと最悪な話を想定していたので……」
「最悪な話?」
「えっと……その……」
聞き返す太志郎さんに、私は言い淀んだ。
だけど、さっき暗い部屋で1人、後悔の涙を流した自分を思い出す。
私の本当の気持ちを伝えるなら、今しかない。
ほら、勇気を出してよ。
「……太志郎さんが、他にご飯を作ってくれる人を見つけてしまったんじゃないか、とか。もう、私のご飯なんて必要なくなったんじゃないか、とか……」
「えっ……」
「私、太志郎さんのことが好きだから。もしそうだったら、耐えられないなって……」
俯き、震える声で告げた瞬間。
「……っ!」
太志郎さんの大きな掌が、私の両肩をがっしりと掴んだ。
肉厚で、驚くほど力強い温もり。
「そないなこと……あるワケないやろ!俺かて、●●ちゃんのことが好きや!大好きや!」
「……本当?」
「ほんまや!誰が他所の女の飯なんて食うか!俺の胃袋は、もう●●ちゃんの飯やないと満足できん身体になっとるんや!」
叫ぶような彼の言葉に、顔を上げると、そこには顔を真っ赤にした太志郎さんの、真剣な眼差しがあった。
「あの……それなら、どうして仕事のことを隠していたんですか?プロヒーローなんて、立派で、誇れることじゃないですか」
私の問いに、太志郎さんは少し眉を下げて笑った。
「プロヒーローに関わると、パパラッチに追われたり、悪い奴らに狙われたりと、周りに迷惑をかけることが多くてな……それで怖がって、離れていく人がおるんや。俺は、●●ちゃんと離れたくなかってん」
不器用な、彼なりの優しさ。
だけど、私は迷うことなく彼の広くて柔らかな胸に顔を埋めた。
「私、そんなことで太志郎さんを避けたりなんかしません!」
「……せやな。俺、●●ちゃんの強さを見くびっていたようや」
太志郎さんは降参したように笑い、私を優しく包み込んだ。
仄かに香るソースの匂い。
マシュマロよりも柔らかくて、鋼よりも頼もしい抱擁。
「●●ちゃん。こんな俺でよければ、付き合ってくれへんか。……そして、一生俺のために、美味い飯を作ってほしい」
「はいっ……!おかわり、いくらでも用意します!」
私の愛情に比例するように、彼の脂肪の量は、これからもっともっと、増えていくに違いない。
ーーFinーー
「せやった!実はな……」
「実は?」
「俺、プロヒーローやねん!」
「……えっ、あ、そうなんですね!?」
あまりに唐突な告白に、私は一瞬フリーズしてしまった。
だけど、思い返せば合点が行くことばかりだ。
あのボロボロの格好も、突発な深夜の呼び出しも、そして何より、この圧倒的なまでの体格。
私がヒーローに疎くて気付かなかっただけで、店の従業員の何人かは、きっと彼の正体に気づいてニヤニヤしていたに違いない。
「あれ?なんや、思ってた反応とちゃうなぁ……。もっと腰抜かすくらい驚かれると思ったんやけど」
太志郎さんは、期待外れだと言わんばかりに首を傾げた。
「あ、いえ、驚いてはいます!驚いてはいるんですけど……」
「……?」
「その、もっと最悪な話を想定していたので……」
「最悪な話?」
「えっと……その……」
聞き返す太志郎さんに、私は言い淀んだ。
だけど、さっき暗い部屋で1人、後悔の涙を流した自分を思い出す。
私の本当の気持ちを伝えるなら、今しかない。
ほら、勇気を出してよ。
「……太志郎さんが、他にご飯を作ってくれる人を見つけてしまったんじゃないか、とか。もう、私のご飯なんて必要なくなったんじゃないか、とか……」
「えっ……」
「私、太志郎さんのことが好きだから。もしそうだったら、耐えられないなって……」
俯き、震える声で告げた瞬間。
「……っ!」
太志郎さんの大きな掌が、私の両肩をがっしりと掴んだ。
肉厚で、驚くほど力強い温もり。
「そないなこと……あるワケないやろ!俺かて、●●ちゃんのことが好きや!大好きや!」
「……本当?」
「ほんまや!誰が他所の女の飯なんて食うか!俺の胃袋は、もう●●ちゃんの飯やないと満足できん身体になっとるんや!」
叫ぶような彼の言葉に、顔を上げると、そこには顔を真っ赤にした太志郎さんの、真剣な眼差しがあった。
「あの……それなら、どうして仕事のことを隠していたんですか?プロヒーローなんて、立派で、誇れることじゃないですか」
私の問いに、太志郎さんは少し眉を下げて笑った。
「プロヒーローに関わると、パパラッチに追われたり、悪い奴らに狙われたりと、周りに迷惑をかけることが多くてな……それで怖がって、離れていく人がおるんや。俺は、●●ちゃんと離れたくなかってん」
不器用な、彼なりの優しさ。
だけど、私は迷うことなく彼の広くて柔らかな胸に顔を埋めた。
「私、そんなことで太志郎さんを避けたりなんかしません!」
「……せやな。俺、●●ちゃんの強さを見くびっていたようや」
太志郎さんは降参したように笑い、私を優しく包み込んだ。
仄かに香るソースの匂い。
マシュマロよりも柔らかくて、鋼よりも頼もしい抱擁。
「●●ちゃん。こんな俺でよければ、付き合ってくれへんか。……そして、一生俺のために、美味い飯を作ってほしい」
「はいっ……!おかわり、いくらでも用意します!」
私の愛情に比例するように、彼の脂肪の量は、これからもっともっと、増えていくに違いない。
ーーFinーー
