Interview with HERO
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取材7日目。
本来なら今日が最終日になるはずだった。
だけど、私が明日の雑談をしなくていいと言ったから。
今日は昨日忘れていった折りたたみ椅子の回収のために来ただけ。
キイィィ……
恐る恐る屋上への扉を開けると、軋むような異音が響いた。
「誰もいない……よね?」
少しだけ開けた隙間から覗く限り、誰もいなさそう。
「ふー良かった!」
安心してドアを全開にさせて、屋上へ足を踏み入れると、
「何が良かったんだ?」
「!?」
頭上から話しかけられた。
この声は……。
上を見上げると、予想通りの人物が空を飛んでいた。
「ホークス……」
ホークスは私が逃げないようにか、扉と私の間に降りてきて、扉を閉めた。
「なんでここに……」
「●●さんに会えると思ったから」
「え?」
ドクンと跳ねた私の心臓。
ホークスはそんなつもりで言っているわけじゃないのに。
「何か忘れてない?」
「えっと……昨日椅子を忘れちゃって」
絶対に違う。
こんなことを聞いているんじゃない。
さっきから見当違いのことばかり考えてしまう。
気まずくてホークスの顔が見れないでいると、ふいにホークスの笑い声が聞こえてきた。
「ふっ」
「?」
反射的に顔を上げると、ホークスと目が合う。
少なくとも怒ってはいなさそうで良かった。
「椅子はあそこにまとめてあるよ」
指差す方を見ると、確かにまとめてあった。
ホークスがやっておいてくれたのかな。
「ありがとう……」
さっさと受け取って帰って良いものだろうか。
「……」
悩んでいると、
「俺は●●さんに言い忘れたことがある」
先程の話の続きを話し始めた。
ホークスが言い忘れたことってなんだろう。
「俺、●●さんの写真を前から結構見てきたんだよね。先週の週刊誌のスカイヒーローの写真だって」
意外だった。
これは喜んでもいいのかな。
「スカイヒーローだって、俺には負けるけど中々の速さで飛んでいる。それなのにブレずに、かつ相手の女性は顔が隠れるアングル。どうやってこんな写真を撮ったんだろうって」
さすが見るところが違う。
そう、あくまで私はヒーローが撮りたいわけで、お相手を撮りたいわけではない。
更にそのお相手が一般人だとそのまま公開できない。
だけど、目線やモザイクをかけるのもプライドが許さない。
こうして試行錯誤して撮って選んだ写真が週刊誌に載ったものだ。
「それで●●さんに興味が湧いたんです。いつか俺も撮ってもらいたいって」
そんな風に思ってくれていたなんて。
だって、大抵の人は私が撮る写真だから、じゃなくて、写真に写っている人物が何をしているのか、にしか興味がないから。
「まあ、現実は女子高生を抱きかかえている際どい写真を撮られたワケだけど」
「……」
「でも、雨の日の写真、あれは良かった。もちろん盗撮されていたのは悲しかったけれど、自分でもあんな顔できるんだって驚いたから。やっぱり●●さんに撮ってもらえて嬉しかった」
勝手に盗撮したのに嬉しかった?
本当に?
怒っていないの?
困惑していると、
「それで、●●さんは俺に言い忘れたことはない?」
再度私に質問を投げかけてきた。
「私……」
私が言い忘れたこと……。
ホークスがあそこまで話してくれたんだ。
私も気持ちを伝えないと。
「えっと……あの……私、カメラマンとして……失格かもしれないけど……」
「うん」
上手く言葉が出ない私にホークスは優しく頷いてくれた。
まるで、ゆっくりでいいよ、と言われているみたいに。
「撮影対象の人を……好きになってしまいました」
「撮影対象の人って?」
その顔は分かっているくせに、はっきりと言わせようとする。
「……ホークスのことです」
満足げな表情。
「よく言えました」
優しく頭をポンポンとしてくるホークス。
「これからどうする?空のデートでもする?」
晴れの日に一度は彼の腕に抱かれて空を飛んでみたいと願ったことが、今まさに実現しようとしている。
撮影されて私が週刊誌に載ったらどうしよう。
でも、そんなこのはどうでもいい。
私は目一杯の笑顔で返事をした。
「する!」
ーーFinーー
本来なら今日が最終日になるはずだった。
だけど、私が明日の雑談をしなくていいと言ったから。
今日は昨日忘れていった折りたたみ椅子の回収のために来ただけ。
キイィィ……
恐る恐る屋上への扉を開けると、軋むような異音が響いた。
「誰もいない……よね?」
少しだけ開けた隙間から覗く限り、誰もいなさそう。
「ふー良かった!」
安心してドアを全開にさせて、屋上へ足を踏み入れると、
「何が良かったんだ?」
「!?」
頭上から話しかけられた。
この声は……。
上を見上げると、予想通りの人物が空を飛んでいた。
「ホークス……」
ホークスは私が逃げないようにか、扉と私の間に降りてきて、扉を閉めた。
「なんでここに……」
「●●さんに会えると思ったから」
「え?」
ドクンと跳ねた私の心臓。
ホークスはそんなつもりで言っているわけじゃないのに。
「何か忘れてない?」
「えっと……昨日椅子を忘れちゃって」
絶対に違う。
こんなことを聞いているんじゃない。
さっきから見当違いのことばかり考えてしまう。
気まずくてホークスの顔が見れないでいると、ふいにホークスの笑い声が聞こえてきた。
「ふっ」
「?」
反射的に顔を上げると、ホークスと目が合う。
少なくとも怒ってはいなさそうで良かった。
「椅子はあそこにまとめてあるよ」
指差す方を見ると、確かにまとめてあった。
ホークスがやっておいてくれたのかな。
「ありがとう……」
さっさと受け取って帰って良いものだろうか。
「……」
悩んでいると、
「俺は●●さんに言い忘れたことがある」
先程の話の続きを話し始めた。
ホークスが言い忘れたことってなんだろう。
「俺、●●さんの写真を前から結構見てきたんだよね。先週の週刊誌のスカイヒーローの写真だって」
意外だった。
これは喜んでもいいのかな。
「スカイヒーローだって、俺には負けるけど中々の速さで飛んでいる。それなのにブレずに、かつ相手の女性は顔が隠れるアングル。どうやってこんな写真を撮ったんだろうって」
さすが見るところが違う。
そう、あくまで私はヒーローが撮りたいわけで、お相手を撮りたいわけではない。
更にそのお相手が一般人だとそのまま公開できない。
だけど、目線やモザイクをかけるのもプライドが許さない。
こうして試行錯誤して撮って選んだ写真が週刊誌に載ったものだ。
「それで●●さんに興味が湧いたんです。いつか俺も撮ってもらいたいって」
そんな風に思ってくれていたなんて。
だって、大抵の人は私が撮る写真だから、じゃなくて、写真に写っている人物が何をしているのか、にしか興味がないから。
「まあ、現実は女子高生を抱きかかえている際どい写真を撮られたワケだけど」
「……」
「でも、雨の日の写真、あれは良かった。もちろん盗撮されていたのは悲しかったけれど、自分でもあんな顔できるんだって驚いたから。やっぱり●●さんに撮ってもらえて嬉しかった」
勝手に盗撮したのに嬉しかった?
本当に?
怒っていないの?
困惑していると、
「それで、●●さんは俺に言い忘れたことはない?」
再度私に質問を投げかけてきた。
「私……」
私が言い忘れたこと……。
ホークスがあそこまで話してくれたんだ。
私も気持ちを伝えないと。
「えっと……あの……私、カメラマンとして……失格かもしれないけど……」
「うん」
上手く言葉が出ない私にホークスは優しく頷いてくれた。
まるで、ゆっくりでいいよ、と言われているみたいに。
「撮影対象の人を……好きになってしまいました」
「撮影対象の人って?」
その顔は分かっているくせに、はっきりと言わせようとする。
「……ホークスのことです」
満足げな表情。
「よく言えました」
優しく頭をポンポンとしてくるホークス。
「これからどうする?空のデートでもする?」
晴れの日に一度は彼の腕に抱かれて空を飛んでみたいと願ったことが、今まさに実現しようとしている。
撮影されて私が週刊誌に載ったらどうしよう。
でも、そんなこのはどうでもいい。
私は目一杯の笑顔で返事をした。
「する!」
ーーFinーー