Interview with HERO
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取材6日目。
さすがに一晩寝れば風邪くらい治るだろう。
そう思い、私はいつもは持ってこないクーラーボックスを肩にかけて屋上へとやってきた。
2人分の折りたたみ椅子を組み立て終えたところでホークスがやってきた。
「あ、風邪治った?」
「うん……それ、何やってるの?」
「椅子」
「そうじゃなくて……」
「ちょっとした快気祝いしたくて。ささ、椅子に座って」
半ば無理やり背中を押して椅子に座らせた。
「何飲む?」
クーラーボックスを開けながら聞いた。
「お茶にコーヒー、ジュース。ノンアルカクテルもあるよ」
「それじゃあ、コーヒーで」
「おっけー」
私はビールを飲んじゃおうかな。
「はーい、乾杯!」
飲み物の缶をガシャンと音を立ててぶつけた。
「体調はもう大丈夫なの?」
「まあ、あまりハードなのは難しいけど、通常業務くらいなら支障ないよ」
「そっかー。あ、そう言えば昨日の黒い羽の子は?」
「ああ、彼はうちの事務所に職場体験に来た学生だよ」
なるほど、職場体験を理由にパシられた、と。
その後も酔いのせいもあって、どうでもいい雑談に花を咲かせた。
……あ、ビール空になっちゃった。
そう言うこともあろうかと2本目の缶ビールに手を伸ばした。
プシュッ
「あ、やばっ!」
どうやら持ってくる間に振ってしまったらしく、勢いよく吹き出てきた。
「ちょっと、鞄の中にタオルが入ってるから取ってもらって良い?」
「はいはい」
あー、もったいない。服まで濡れちゃったな。
「●●さん」
そんな呑気なことを考えていると、ホークスが冷たい声で私の名前を呼んできた。
「なーに?」
「この写真何ですか?」
「んー?………あ」
彼の手には先日こっそり現像した雨の日のホークスの写真があった。
「それは……」
冷や汗がすごい。
酔いなんか一気に覚めた。
「この写真って一昨日のですよね……」
「……」
「あのとき、カメラ持っていませんでしたよね?●●さんの個性で盗撮したものですか?」
口調は丁寧。
だけど怒っていることが分かる。
ピリつく空気。
「ごめんなさい……」
謝ることしかできなかった。
「その写真も女子高生の写真もマスコミに渡さないし、もう明日の雑談もしなくていいです」
「……」
「だから……本当にごめんなさい」
私は鞄とクーラーボックスを手にして、逃げるようにその場から離れた。
私の遅い脚ではホークスに直ぐに追いつかれるのに、振り向いても誰もいない。
追い掛けられても困るけど、そうだよね、と自分を納得させた。
それなのに、何故か涙が出てきた。
「こんなつもりじゃなかったのに……っ……」
ネタの対象を……ヒーローを好きになってしまうなんて、カメラマン失格だ。
「折りたたみ椅子、置いてきちゃったな……」
さすがに一晩寝れば風邪くらい治るだろう。
そう思い、私はいつもは持ってこないクーラーボックスを肩にかけて屋上へとやってきた。
2人分の折りたたみ椅子を組み立て終えたところでホークスがやってきた。
「あ、風邪治った?」
「うん……それ、何やってるの?」
「椅子」
「そうじゃなくて……」
「ちょっとした快気祝いしたくて。ささ、椅子に座って」
半ば無理やり背中を押して椅子に座らせた。
「何飲む?」
クーラーボックスを開けながら聞いた。
「お茶にコーヒー、ジュース。ノンアルカクテルもあるよ」
「それじゃあ、コーヒーで」
「おっけー」
私はビールを飲んじゃおうかな。
「はーい、乾杯!」
飲み物の缶をガシャンと音を立ててぶつけた。
「体調はもう大丈夫なの?」
「まあ、あまりハードなのは難しいけど、通常業務くらいなら支障ないよ」
「そっかー。あ、そう言えば昨日の黒い羽の子は?」
「ああ、彼はうちの事務所に職場体験に来た学生だよ」
なるほど、職場体験を理由にパシられた、と。
その後も酔いのせいもあって、どうでもいい雑談に花を咲かせた。
……あ、ビール空になっちゃった。
そう言うこともあろうかと2本目の缶ビールに手を伸ばした。
プシュッ
「あ、やばっ!」
どうやら持ってくる間に振ってしまったらしく、勢いよく吹き出てきた。
「ちょっと、鞄の中にタオルが入ってるから取ってもらって良い?」
「はいはい」
あー、もったいない。服まで濡れちゃったな。
「●●さん」
そんな呑気なことを考えていると、ホークスが冷たい声で私の名前を呼んできた。
「なーに?」
「この写真何ですか?」
「んー?………あ」
彼の手には先日こっそり現像した雨の日のホークスの写真があった。
「それは……」
冷や汗がすごい。
酔いなんか一気に覚めた。
「この写真って一昨日のですよね……」
「……」
「あのとき、カメラ持っていませんでしたよね?●●さんの個性で盗撮したものですか?」
口調は丁寧。
だけど怒っていることが分かる。
ピリつく空気。
「ごめんなさい……」
謝ることしかできなかった。
「その写真も女子高生の写真もマスコミに渡さないし、もう明日の雑談もしなくていいです」
「……」
「だから……本当にごめんなさい」
私は鞄とクーラーボックスを手にして、逃げるようにその場から離れた。
私の遅い脚ではホークスに直ぐに追いつかれるのに、振り向いても誰もいない。
追い掛けられても困るけど、そうだよね、と自分を納得させた。
それなのに、何故か涙が出てきた。
「こんなつもりじゃなかったのに……っ……」
ネタの対象を……ヒーローを好きになってしまうなんて、カメラマン失格だ。
「折りたたみ椅子、置いてきちゃったな……」