ーー鷹見sideーー


毎朝こっそりベッドを抜け出して公園で時間を潰してからハローワークへ行く●●。

俺を起こさないように気を遣っているつもりなんだろうけれど、彼女が家を出た後に毎日のように空から様子を見ている。
もちろん難しい時もあるが、その時は羽を忍ばせている。

しかし、頑張っているのに成果は出ないようで、どんどん疲弊していく●●。

こんなにも疲弊するくらいなら働かなくてもいいし、ずっと俺が養ったって構わない。
だけど、●●はそれを許さない。

だから俺は●●に助けを求めて欲しくて早朝に話しかけた。

それなのに、結果的に自分の性癖を晒すことになるとは。

人々を助けるヒーローなのに、最愛の彼女の泣き顔が好きだなんて。
苦しむ彼女に興奮を隠せない自分に気が付いたときには隠し通すつもりでいた。


「俺は最低だ」


隣で心地よい寝息を立てながら寝ている●●に向かって、聞こえていないと分かりつつ呟く。

そっと彼女の頭を撫でると、彼女はンッと声を出して寝返りを打った。
起きる気配はない。

いくら俺のを性癖を受け入れてくれたとはいえ、かなり無理をさせてしまった。

確かにいつもの行為では俺はイけていなかったが、それでも気持ちよさそうにしている●●を見ているだけで満足はしていた。

だから、そんな俺のしたいことを叶えようとしてくれる●●は健気だ。

つまりは堪らなく愛しているということ。