見た目じゃない
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~見た目じゃない~
「なんで毎朝うちに来るかな~」
「ええやん、一人分も二人分も変わらへんやろ」
当たり前のように私の家に朝来て朝食を食べているこの男、宮治。
彼とは結婚している訳でも、付き合っている訳でもない。
ただの高校の同級生だ。それも過去の話。
卒業して社会人になってから疎遠になった友達が多い中、関係が続いているのはありがたいけど、ここまでの関わりは求めていない。
「それにしても、何この飯。茶色いな~」
「昨日の夜の残りだし。嫌なら食べなくて結構です」
白いご飯、味噌汁、揚げ物の残り。
なんなら私はこれらをお弁当箱に詰めて昼も食べる。
一人暮らしなら毎食丁寧に作っていられないので、3食同じなんて当たり前。
「治だってお店の端材とか残りとかあるんじゃないの?そっちを食べればいいのに」
そう、治は若いのに自分のお店を持っている。
おにぎりを専門に扱っている“おにぎり宮”。
「見た目はアレでも味は旨いからな」
「はいはい、そろそろ仕事行かないといけないから、早く食べちゃってよ」
なんだかんだ毎回旨い旨い、と言って食べてくれるから、こっちも毎回許してしまう。
「ご馳走さまでした」
「お粗末様です」
下げた食器を洗っていると、
「●●もたまには俺の店で飯食べてってぇや。奢るで」
そう言って出ていった。
本当に自由人なんだから。
「…………やばっ、時間っ!」
今日もバタバタと騒がしい一日が始まる。
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