魔法のおにぎり
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「こんばんは」
「いらっしゃい●●ちゃん。ごめんけど、ラストオーダー終わってしまってん」
既に他のお客さんはおらず、片付け作業をしていた治さんが申し訳なさそうに言った。
「大丈夫です。今日は差し入れを持ってきただけなので」
「なんやろ、楽しみやな」
保冷バッグから出したおにぎりを治さんに渡した。
「おにぎり屋さんにおにぎりを渡すのどうかと思ったんですけど……」
「俺の好きな物、メシやから。おにぎりも例外やあらへんよ」
治さんは包みを取っておにぎりを頬張る。
「んまい!丁寧な味がする。このにんじんの飾り切りも上手にできている」
そう言ってもらえると安心して、一気に力が抜けた。
「よかった~」
「それで、今回作ってみて何か掴めた?」
私はこくりと頷いた。
治さんに食べてもらって確かな気付きがあった。
「頑張って作った料理を評価されなかったり、蔑ろになれるのを想像すると料理するのが怖くなりました」
「せやから、食べる方がええって?」
私は無言で首を横に振った。
「その分、美味しいって言われると、今まで以上に嬉しくなりました」
「ほうか」
「だけどそれは不特定多数の誰かに食べてもらったときじゃなくて、特定の人に……治さんに食べてもらったときだってことに気が付きました」
実習で作る給食と、治さんへの差し入れ。
作るときのモチベーション、丁寧さ、気持ちの込め方、どれも今までと違った。
「もっともっと治さんに私が作った料理を食べてもらいたいです!」
「●●ちゃん、それってプロポーズに聞こえるんやけど」
「ププププ、プロポーズ!?いや、違くて。あれ?違わないかも?でもでも」
結婚は早いが、治さんに惹かれていると認めたら府に落ちた。
「困ったな」
そうだよね。
意図せずとは言え、いきなりのプロポーズまがいな言葉、迷惑だよね。
「俺の中では●●ちゃんが20歳になるまで待つつもりだったんやけど…」
「え………?」
つまりは治さんも私のことが好き……?
「俺とお付き合いしてくれませんか?」
「は、はい!」
グゥゥゥー!
私の空気の読めないお腹め!
「ハハハ!ほんま、おもろいな。何か作ろうか。リクエストある?」
「ネギトロおにぎり!」
治さん。これからも私の料理を食べて作る喜びを教えてくださいね。
ーーFinーー
「いらっしゃい●●ちゃん。ごめんけど、ラストオーダー終わってしまってん」
既に他のお客さんはおらず、片付け作業をしていた治さんが申し訳なさそうに言った。
「大丈夫です。今日は差し入れを持ってきただけなので」
「なんやろ、楽しみやな」
保冷バッグから出したおにぎりを治さんに渡した。
「おにぎり屋さんにおにぎりを渡すのどうかと思ったんですけど……」
「俺の好きな物、メシやから。おにぎりも例外やあらへんよ」
治さんは包みを取っておにぎりを頬張る。
「んまい!丁寧な味がする。このにんじんの飾り切りも上手にできている」
そう言ってもらえると安心して、一気に力が抜けた。
「よかった~」
「それで、今回作ってみて何か掴めた?」
私はこくりと頷いた。
治さんに食べてもらって確かな気付きがあった。
「頑張って作った料理を評価されなかったり、蔑ろになれるのを想像すると料理するのが怖くなりました」
「せやから、食べる方がええって?」
私は無言で首を横に振った。
「その分、美味しいって言われると、今まで以上に嬉しくなりました」
「ほうか」
「だけどそれは不特定多数の誰かに食べてもらったときじゃなくて、特定の人に……治さんに食べてもらったときだってことに気が付きました」
実習で作る給食と、治さんへの差し入れ。
作るときのモチベーション、丁寧さ、気持ちの込め方、どれも今までと違った。
「もっともっと治さんに私が作った料理を食べてもらいたいです!」
「●●ちゃん、それってプロポーズに聞こえるんやけど」
「ププププ、プロポーズ!?いや、違くて。あれ?違わないかも?でもでも」
結婚は早いが、治さんに惹かれていると認めたら府に落ちた。
「困ったな」
そうだよね。
意図せずとは言え、いきなりのプロポーズまがいな言葉、迷惑だよね。
「俺の中では●●ちゃんが20歳になるまで待つつもりだったんやけど…」
「え………?」
つまりは治さんも私のことが好き……?
「俺とお付き合いしてくれませんか?」
「は、はい!」
グゥゥゥー!
私の空気の読めないお腹め!
「ハハハ!ほんま、おもろいな。何か作ろうか。リクエストある?」
「ネギトロおにぎり!」
治さん。これからも私の料理を食べて作る喜びを教えてくださいね。
ーーFinーー