寝ても覚めても
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〜寝ても覚めても〜
「痛っ!」
授業中にも関わらず、大声を出してしまった。
なぜなら、寝ていたと思っていた左隣の席の治君に、急に手首を噛みつかれたから。
私は思わず、治君を見つめる。
飛び起きた治君も、ぽかんとした表情で私の手首を見ていた。
そこには、くっきりと彼の歯型が綺麗に残っている。
私を含め、噛んだ本人も意味が分かっていない様子。
「ご、ごめん。マジで何したん、俺……?」
治君が気まずそうに頭を掻いていると、先生の注意が飛んできた。
「おーい、そこ、煩いぞ。宮も授業中寝るな」
「「す、すみません……」」
私もつられて謝ったけど、どう考えても私は悪くない。
「気ぃ付けやー」
それだけ言うと、先生はそれ以上追及せず、また黒板に向き直る。
私はそれを合図に、なんとか気持ちを切り替え、ノートに目を落とした。
……。
…………。
授業が終わると、治君はすぐさま謝ってきた。
「◯◯さん、ごめん!」
「……本当だよ。まさか寝ぼけて噛まれる日が来るとは」
思わず苦笑いが溢れる。
「
「一体どんな夢を見ていたのやら」
「おにぎり……かな?◯◯さんの腕がめっちゃ旨そうなおにぎりに見えたんかもな」
治君はケラケラと笑いながらふざけてきた。
本気で謝る気あるのか。
一睨みすると、治君は慌て再度謝ってきた。
「冗談やって!そない怒らんといて!せや、お詫びに今日の昼になんか奢るわ」
「じゃあ……」
脳裏に菓子パンが浮かんだけれど、その考えを振り払い、手軽な物を答えた。
「購買のプリン」
「そんなんでええん?」
治君は焼きそばパンとかシュークリームとか次々に商品名を挙げてくる。
だけど、
「いいのー!」
私はそれを一蹴りする。
だって、私の腕がおにぎりみたいだったってことは、太いってことなんじゃないの?
それなのに、高カロリーの物を頼めない。
なんて、ちょっと気にしつつも、プリンくらいならいいかな。
と、ちゃっかり頼む私も私だ。
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