ほんのチョコっとだけ
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ーーおまけ②(宮治side)ーー
バレンタイン1週間前。
頭が痛い。
なんでこないなときに風邪なんか引いてまったんか。
親は仕事やし、ツムは部活でおらん。
「クソが……」
弱々しい声は空中に舞って消えた。
スマホを手に取り、真っ先に●●に連絡した。
……。
…………。
知らん間にか寝とったらしく、インターフォンの音で目ぇが覚めた。
玄関の方から●●の声がする。
出迎えてやりたかったけど、体はだるしい声はガサガサだしで出ぇへん。
買 おてきた物を玄関に置いて貰うようメッセージを送ろうとしたら、階段を上がってくる音が聞こえてきた。
ほどなくしてドアがノックされた。
「治ー?私」
風邪を染すわけにはいかへん。
今やったらまだ荷物だけ置いて引き返すように促せる。
せやけど●●に会いたくて、俺は無神経なフリをして彼女を部屋に迎え入れた。
「入って……」
●●の手に握られとるビニール袋には頼んどった以外の物 が入っとるんか、思ったより重そうやった。
「●●、すまんな」
「いいって。それより寝ていなよ。……侑は?」
開幕ツムのことを聞いてくるとか。
●●は俺のために来てくれたんとちゃうの?
おもんな。
「部活」
俺は不貞腐れたように答えた。
それ以降はツムの話は出て来ず、●●は甲斐甲斐しく俺の世話を焼いてくれた。
「なあ、●●。頼みがあんのやけど」
焼いてくれるからか、俺は熱にかまけて普段は絶対に口にせぇへんことを言おうとしとった。
“去年はチョコをくれへんかったから、今年こそは欲しい”
そんとき、ツムの顔が過った。
バレンタイン2ヶ月前からアピールしとったツム。
その話をツムから聞かされたとき、俺はツムにダサいって言 うた。
危ない。
危うく俺もダサいやつになるとこやった。
せやから代わりに、
「もう少しここにいてくれへん?そのせいでもし●●が風邪引いたら絶対に看病しに行くから」
いや、こっちの方がヤバいんとちゃう?
熱のせいで思考がおかしくなっとるんや。
急いで訂正しようとしたら、
「なんだ、そんなこと」
●●は快く引き受けてくれた。
それどころか、
「治が寝るまで側にいるから、早く元気になってよね」
俺の手を握る。
ああ、ひんやりしたその手が気持ちようて、なんだか眠くなってきよった。
バレンタイン1週間前。
頭が痛い。
なんでこないなときに風邪なんか引いてまったんか。
親は仕事やし、ツムは部活でおらん。
「クソが……」
弱々しい声は空中に舞って消えた。
スマホを手に取り、真っ先に●●に連絡した。
……。
…………。
知らん間にか寝とったらしく、インターフォンの音で目ぇが覚めた。
玄関の方から●●の声がする。
出迎えてやりたかったけど、体はだるしい声はガサガサだしで出ぇへん。
ほどなくしてドアがノックされた。
「治ー?私」
風邪を染すわけにはいかへん。
今やったらまだ荷物だけ置いて引き返すように促せる。
せやけど●●に会いたくて、俺は無神経なフリをして彼女を部屋に迎え入れた。
「入って……」
●●の手に握られとるビニール袋には頼んどった以外の
「●●、すまんな」
「いいって。それより寝ていなよ。……侑は?」
開幕ツムのことを聞いてくるとか。
●●は俺のために来てくれたんとちゃうの?
おもんな。
「部活」
俺は不貞腐れたように答えた。
それ以降はツムの話は出て来ず、●●は甲斐甲斐しく俺の世話を焼いてくれた。
「なあ、●●。頼みがあんのやけど」
焼いてくれるからか、俺は熱にかまけて普段は絶対に口にせぇへんことを言おうとしとった。
“去年はチョコをくれへんかったから、今年こそは欲しい”
そんとき、ツムの顔が過った。
バレンタイン2ヶ月前からアピールしとったツム。
その話をツムから聞かされたとき、俺はツムにダサいって
危ない。
危うく俺もダサいやつになるとこやった。
せやから代わりに、
「もう少しここにいてくれへん?そのせいでもし●●が風邪引いたら絶対に看病しに行くから」
いや、こっちの方がヤバいんとちゃう?
熱のせいで思考がおかしくなっとるんや。
急いで訂正しようとしたら、
「なんだ、そんなこと」
●●は快く引き受けてくれた。
それどころか、
「治が寝るまで側にいるから、早く元気になってよね」
俺の手を握る。
ああ、ひんやりしたその手が気持ちようて、なんだか眠くなってきよった。
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