ほんのチョコっとだけ
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ーーおまけ①ーー
後日、チョコを食べ飽きた、と治に呼び出された。
治の部屋に来るのは看病しに行ったぶり。
「治ー!来たよー!」
「おん、待ってたで」
インターフォンを鳴らすと、今度はちゃんと治自身が出迎えてくれた。
風邪を引いていないんだから当たり前か。
部屋に通されると、机の上にはたくさんのチョコが置かれていた。
「好きなん食べや」
残ったチョコのラインナップの中には私があげたものはなかった。
少しだけホッとした。
そもそも、渡したときに目の前であらかた平らげていたから、解散した後に残りも直ぐに食べたのだろう。
取り敢えず、一番手前のチョコから手に取った。
手の凝った高級そうなチョコ。
絶対に私があげたチョコよりも美味しい。
それなのに、私のチョコを優先して食べてくれたことが嬉しかった。
チョコのゴミを捨てようとゴミ箱を探す。
そのとき、ふと先日の雑誌のことを思い出した。
「ねえ、治。聞きたいことがあるんだけど」
「なんや?」
「少し前に風邪引いた治の看病したじゃん?」
「おん」
「そのときに“モテるためには”って書いてある雑誌を見ちゃったんだけど。治ってモテるのにまだモテようとしているの?」
これだけチョコを貰っておいて。
視線を机の上のチョコに移す。
そしたら、
「そんな雑誌買 おた覚えないで」
隠さなくてもいいのに。
「嘘だー、ほらゴミ箱に捨ててあったやつ!」
「……あー、あれか。確かツムが読んでたやつや。その後勝手にほかってったんやろ」
「じゃあ、侑がモテようとしてたってこと?」
確かに侑なら読みそう。
バレンタイン2ヶ月くらい前からチョコ欲しいアピールもしてたらしいし。
「どうだか。だってアイツ、最近彼女出来たみたいやし」
「え!あの侑が?!」
意外だった。
「おん、バレンタインのときに。今日だってその子とデートやーって朝から出かけよったし」
どおりで侑の気配がないわけだ。
じゃあ、あの喜んでいた本命チョコも、たくさんある本命の中の1つなのではなく、侑に取っての本命だったのか。
そっか……そっか……。
私も治にあのチョコ本命だった、って言ったらあんな風に喜んでくれただろうか。
自信がないや。
なんか……なんか……鼻がムズムズする。
「はっ……くしょん!!」
本当に空気の読めないくしゃみだ。
出るならもっと可愛く出なさいよ。
そんな恥ずかしさを誤魔化すために治のせいにした。
「治の風邪が染ったかな」
「アホか。いつの話してんねん。ほらティッシュ」
ティッシュを受け取り鼻をかむ。
好きな人の前でも平気でできてしまうのが、幼馴染のツラいところか。
「じゃあ、私が寝込んでも看病しにきてくれないの?」
「行くに決まってんやろ」
「わーい、やったー」
「なんやその棒読み」
嬉しいに決まってるじゃん。
本当は声を上げたいけど、私は侑みたいに表立って喜べない。
だって幼馴染なんだもん。
だけど、その幼馴染の立場にあぐらをかいて、もう少し、このままの関係でいいかも。
後日、チョコを食べ飽きた、と治に呼び出された。
治の部屋に来るのは看病しに行ったぶり。
「治ー!来たよー!」
「おん、待ってたで」
インターフォンを鳴らすと、今度はちゃんと治自身が出迎えてくれた。
風邪を引いていないんだから当たり前か。
部屋に通されると、机の上にはたくさんのチョコが置かれていた。
「好きなん食べや」
残ったチョコのラインナップの中には私があげたものはなかった。
少しだけホッとした。
そもそも、渡したときに目の前であらかた平らげていたから、解散した後に残りも直ぐに食べたのだろう。
取り敢えず、一番手前のチョコから手に取った。
手の凝った高級そうなチョコ。
絶対に私があげたチョコよりも美味しい。
それなのに、私のチョコを優先して食べてくれたことが嬉しかった。
チョコのゴミを捨てようとゴミ箱を探す。
そのとき、ふと先日の雑誌のことを思い出した。
「ねえ、治。聞きたいことがあるんだけど」
「なんや?」
「少し前に風邪引いた治の看病したじゃん?」
「おん」
「そのときに“モテるためには”って書いてある雑誌を見ちゃったんだけど。治ってモテるのにまだモテようとしているの?」
これだけチョコを貰っておいて。
視線を机の上のチョコに移す。
そしたら、
「そんな雑誌
隠さなくてもいいのに。
「嘘だー、ほらゴミ箱に捨ててあったやつ!」
「……あー、あれか。確かツムが読んでたやつや。その後勝手にほかってったんやろ」
「じゃあ、侑がモテようとしてたってこと?」
確かに侑なら読みそう。
バレンタイン2ヶ月くらい前からチョコ欲しいアピールもしてたらしいし。
「どうだか。だってアイツ、最近彼女出来たみたいやし」
「え!あの侑が?!」
意外だった。
「おん、バレンタインのときに。今日だってその子とデートやーって朝から出かけよったし」
どおりで侑の気配がないわけだ。
じゃあ、あの喜んでいた本命チョコも、たくさんある本命の中の1つなのではなく、侑に取っての本命だったのか。
そっか……そっか……。
私も治にあのチョコ本命だった、って言ったらあんな風に喜んでくれただろうか。
自信がないや。
なんか……なんか……鼻がムズムズする。
「はっ……くしょん!!」
本当に空気の読めないくしゃみだ。
出るならもっと可愛く出なさいよ。
そんな恥ずかしさを誤魔化すために治のせいにした。
「治の風邪が染ったかな」
「アホか。いつの話してんねん。ほらティッシュ」
ティッシュを受け取り鼻をかむ。
好きな人の前でも平気でできてしまうのが、幼馴染のツラいところか。
「じゃあ、私が寝込んでも看病しにきてくれないの?」
「行くに決まってんやろ」
「わーい、やったー」
「なんやその棒読み」
嬉しいに決まってるじゃん。
本当は声を上げたいけど、私は侑みたいに表立って喜べない。
だって幼馴染なんだもん。
だけど、その幼馴染の立場にあぐらをかいて、もう少し、このままの関係でいいかも。