ほんのチョコっとだけ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
バレンタイン当日。
持ってきてしまった……。
手作りチョコを。
あんなに頑なに作らない、と言っていたのに。
スクールバッグとは別に用意した手提げ袋、その中に入れた3つのチョコ。
1つはミソラ、もう2つは宮兄弟の分。
だけど、治のだけは2人と違って少しだけ特別仕様。
ほんの少しだけサイズが大きくて、ほんの少しだけ形が歪で……人によってはハート型?に見えかもしれない。
ラッピングも分かりやすいようにリボンの色を変えた。
ただ、こうなったのも本当にたまたまで!
そう……たまたまだから。
誰に言い訳をするでもなく、心で呟いて落ち着かせる。
胸に手を置き一呼吸。
いつもと変わらないフリをして教室の扉を開けた。
「おはよう」
教室内は既に女子生徒によるチョコの交換会が行われていた。
それを横目でチラチラと見ている男子生徒。
治もあんな風に分かりやすい反応をしてくれればいいのに。
毎年たくさんのチョコを貰う彼には貰えない、と言う心配はないのか、平然としている。
少なくとも昨年はそう見えた。
本当に可愛げがない。
そう思いながら席に着くと、
「●●、おはよう!なになにその手提げ!」
チョコの匂いを嗅ぎつけたのか、早速ミソラがやってきた。
「おはよ……。ミソラが私のチョコ用意するって言っていたから。貰うだけは悪いし」
手提げからミソラ用のチョコを取り出す。
治にあげるチョコと間違えないように、しっかりとリボンの色を確認してから。
「えー!めっちゃ嬉しい!じゃあ私からも、はいチョコ!」
「ありがとう」
「まだ袋にチョコ入ってるけど、後は誰にあげるの?」
ミソラは軽く手提げを覗き込んできた。
あからさまに仕様が違うラッピングを見られただろうか。
いや、指摘されたら同じリボンが足りなかったから、を変えざるを得なかった、と言い訳しよう。
「宮兄弟に。ほら、幼馴染だから」
「なんだー、本命にはあげないのか」
「うん……」
そう言うことにしておこう。
「じゃあさ、私も1組にあげたい人がいるから、行くとき教えて」
本命チョコが含まれているとは思っていないミソラは何の気なしに聞いてきた。
断ると不自然だよね。
それに別に本命だけどその場で告白するわけでもないし。
「分かった」
休み時間にミソラと一緒に1組に行くことになった。
持ってきてしまった……。
手作りチョコを。
あんなに頑なに作らない、と言っていたのに。
スクールバッグとは別に用意した手提げ袋、その中に入れた3つのチョコ。
1つはミソラ、もう2つは宮兄弟の分。
だけど、治のだけは2人と違って少しだけ特別仕様。
ほんの少しだけサイズが大きくて、ほんの少しだけ形が歪で……人によってはハート型?に見えかもしれない。
ラッピングも分かりやすいようにリボンの色を変えた。
ただ、こうなったのも本当にたまたまで!
そう……たまたまだから。
誰に言い訳をするでもなく、心で呟いて落ち着かせる。
胸に手を置き一呼吸。
いつもと変わらないフリをして教室の扉を開けた。
「おはよう」
教室内は既に女子生徒によるチョコの交換会が行われていた。
それを横目でチラチラと見ている男子生徒。
治もあんな風に分かりやすい反応をしてくれればいいのに。
毎年たくさんのチョコを貰う彼には貰えない、と言う心配はないのか、平然としている。
少なくとも昨年はそう見えた。
本当に可愛げがない。
そう思いながら席に着くと、
「●●、おはよう!なになにその手提げ!」
チョコの匂いを嗅ぎつけたのか、早速ミソラがやってきた。
「おはよ……。ミソラが私のチョコ用意するって言っていたから。貰うだけは悪いし」
手提げからミソラ用のチョコを取り出す。
治にあげるチョコと間違えないように、しっかりとリボンの色を確認してから。
「えー!めっちゃ嬉しい!じゃあ私からも、はいチョコ!」
「ありがとう」
「まだ袋にチョコ入ってるけど、後は誰にあげるの?」
ミソラは軽く手提げを覗き込んできた。
あからさまに仕様が違うラッピングを見られただろうか。
いや、指摘されたら同じリボンが足りなかったから、を変えざるを得なかった、と言い訳しよう。
「宮兄弟に。ほら、幼馴染だから」
「なんだー、本命にはあげないのか」
「うん……」
そう言うことにしておこう。
「じゃあさ、私も1組にあげたい人がいるから、行くとき教えて」
本命チョコが含まれているとは思っていないミソラは何の気なしに聞いてきた。
断ると不自然だよね。
それに別に本命だけどその場で告白するわけでもないし。
「分かった」
休み時間にミソラと一緒に1組に行くことになった。