ほんのチョコっとだけ
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バレンタインまで1週間を切った土曜日。
特にすることもなく、ベッドで寝転がりながら雑誌を読む。
そして嫌でも視界に入り込むバレンタイン特集。
今頃、世の中の女性陣はチョコ作りに勤しんでいるのだろうか。
ま、私には関係ないけど。
ペラペラとページを捲ると、スマホがメッセージを受信した。
治からだ。
“風邪引いた。ゼリーとかスポドリ買ってきて”
パシりかよ。
そう思いながらも、好きな人が体調を崩しているとなれば心配になるわけで、素直に駆けつけてしまう。
適当に準備をしてから家を出た。
宮家へ行く途中にコンビニがないため、少し遠回りをして頼まれた物を調達する。
言われた通りゼリーとスポーツ飲料をかごに入れ、おまけにヨーグルトとアイスも。
会計を済ませると、足早に宮家へ向かった。
ピンポーン……
インターフォンを鳴らすも返事がない。
誰もいないのかな?
扉に手を掛けると鍵が空いていた。
「お邪魔しまーす。治いるー?」
すると、治の部屋がある2階の方から物音がした。
寝ていたところ、インターフォンで起こしてしまったようだ。
「勝手に入るねー!」
昔は良く来ていた宮家。
だけど、成長するにしたがってその頻度はめっきり減った。
久しぶりにこの階段を上がる。
上り切った先にある3つのドア。
1つは侑、そしてもう1つは治の部屋。
侑の部屋のドアが少し開かれており、覗くと部屋の主は不在だった。
それにしても散らかっている。
気を取り直して治の部屋のドアをノックした。
「治ー?私」
「入って……」
中から弱々しい声が聞こえてきた。
ドアを開けると、先程まで寝ていましたと言わんばかりの治が、ベッドから上半身だけを起こしていた。
おでこにはひんやりシートを付けており、頬は赤みを帯びている。
「●●、すまんな」
「いいって。それより寝ていなよ」
私は買ってきた物を机に置いた。
「侑は?」
「部活」
この様子だとおじさんとおばさんも仕事でいないのかな。
だから私をパシりにしたのか。
「薬は飲んだ?」
「おん……」
「なんか買ってきたの食べる?ゼリーとか……あ、アイスも買ったよ。ほら」
溶けちゃうから今食べるか、食べないなら早めに冷凍庫に入れたい。
「ほなら、アイス貰おうかな」
「おっけー」
私は過保護にアイスの袋を取ってから持ち手を治に渡した。
「チョコか」
「新商品だったから、つい。サッパリしたのがよかったよね、ごめん」
「いや、大丈夫。旨いで」
この時期はバレンタインだから新商品もチョコ系統が増えている。
別にそれを意識して買ったわけじゃなかったけれど、勘違いされたら嫌だ。
「ご馳走さん」
「ゴミ貸して」
アイスの棒を受け取りゴミ箱へ捨てる。
ふと、ゴミ箱に入っていた雑誌に目が止まった。
“モテるためには”と書いてある見出しが。
治もこう言うの読むんだ。
チョコが欲しいが故にモテようとしている……とか?
「なあ、●●。頼みがあんのやけど」
ほら、噂をすれば……。
だけど、治の口からは私が思っていたこととは違う頼み事が出てきた。
「●●さえ良ければ、もう少しここにいてくれへん?そのせいでもし風邪染ったら絶対に看病しに行くから」
「なんだ、そんなこと」
チョコをせびられると思った自分が途端に恥ずかしくなった。
むしろ風邪を染してもらって、この羞恥心を消したいくらい。
「治が寝るまで側にいるから、早く元気になってよね」
そう言ってどさくさに紛れて治の手を握る。
アイスを食べたばかりなのに、私よりも体温の高い手。
熱が何度あるか聞いていないけど、相当しんどそう。
治が元気ないと、私まで元気がなくなる。
人を好きになると心も体もシンクロするようだ。
特にすることもなく、ベッドで寝転がりながら雑誌を読む。
そして嫌でも視界に入り込むバレンタイン特集。
今頃、世の中の女性陣はチョコ作りに勤しんでいるのだろうか。
ま、私には関係ないけど。
ペラペラとページを捲ると、スマホがメッセージを受信した。
治からだ。
“風邪引いた。ゼリーとかスポドリ買ってきて”
パシりかよ。
そう思いながらも、好きな人が体調を崩しているとなれば心配になるわけで、素直に駆けつけてしまう。
適当に準備をしてから家を出た。
宮家へ行く途中にコンビニがないため、少し遠回りをして頼まれた物を調達する。
言われた通りゼリーとスポーツ飲料をかごに入れ、おまけにヨーグルトとアイスも。
会計を済ませると、足早に宮家へ向かった。
ピンポーン……
インターフォンを鳴らすも返事がない。
誰もいないのかな?
扉に手を掛けると鍵が空いていた。
「お邪魔しまーす。治いるー?」
すると、治の部屋がある2階の方から物音がした。
寝ていたところ、インターフォンで起こしてしまったようだ。
「勝手に入るねー!」
昔は良く来ていた宮家。
だけど、成長するにしたがってその頻度はめっきり減った。
久しぶりにこの階段を上がる。
上り切った先にある3つのドア。
1つは侑、そしてもう1つは治の部屋。
侑の部屋のドアが少し開かれており、覗くと部屋の主は不在だった。
それにしても散らかっている。
気を取り直して治の部屋のドアをノックした。
「治ー?私」
「入って……」
中から弱々しい声が聞こえてきた。
ドアを開けると、先程まで寝ていましたと言わんばかりの治が、ベッドから上半身だけを起こしていた。
おでこにはひんやりシートを付けており、頬は赤みを帯びている。
「●●、すまんな」
「いいって。それより寝ていなよ」
私は買ってきた物を机に置いた。
「侑は?」
「部活」
この様子だとおじさんとおばさんも仕事でいないのかな。
だから私をパシりにしたのか。
「薬は飲んだ?」
「おん……」
「なんか買ってきたの食べる?ゼリーとか……あ、アイスも買ったよ。ほら」
溶けちゃうから今食べるか、食べないなら早めに冷凍庫に入れたい。
「ほなら、アイス貰おうかな」
「おっけー」
私は過保護にアイスの袋を取ってから持ち手を治に渡した。
「チョコか」
「新商品だったから、つい。サッパリしたのがよかったよね、ごめん」
「いや、大丈夫。旨いで」
この時期はバレンタインだから新商品もチョコ系統が増えている。
別にそれを意識して買ったわけじゃなかったけれど、勘違いされたら嫌だ。
「ご馳走さん」
「ゴミ貸して」
アイスの棒を受け取りゴミ箱へ捨てる。
ふと、ゴミ箱に入っていた雑誌に目が止まった。
“モテるためには”と書いてある見出しが。
治もこう言うの読むんだ。
チョコが欲しいが故にモテようとしている……とか?
「なあ、●●。頼みがあんのやけど」
ほら、噂をすれば……。
だけど、治の口からは私が思っていたこととは違う頼み事が出てきた。
「●●さえ良ければ、もう少しここにいてくれへん?そのせいでもし風邪染ったら絶対に看病しに行くから」
「なんだ、そんなこと」
チョコをせびられると思った自分が途端に恥ずかしくなった。
むしろ風邪を染してもらって、この羞恥心を消したいくらい。
「治が寝るまで側にいるから、早く元気になってよね」
そう言ってどさくさに紛れて治の手を握る。
アイスを食べたばかりなのに、私よりも体温の高い手。
熱が何度あるか聞いていないけど、相当しんどそう。
治が元気ないと、私まで元気がなくなる。
人を好きになると心も体もシンクロするようだ。