食べたい、食べられたい
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いつものようにお昼時間を過ごしていたとき。
小さなお弁当はすぐに食べ終わり、私は残りの時間を次の授業の予習に充てていた。
そんなとき、目の前の空いている席に誰か座ってきた。
席の持ち主が戻ってきた。
そう思っていたら、その人物は私の机に片肘を付くようにもたれ掛かりながら話しかけてきた。
「◯◯さん、最近お弁当全然食べてへんやろ?どっか悪いん?」
まさかの治君。
しかも、お弁当の量を見られていたなんて。
いや、小さくしたのを知ってもらいたい、とは思っていたけれど。
だけど、こんな唐突に言われると心の準備ができていなくて、上手く受け答えができなかった。
「あ、いや……」
しかも今は健康のためとは言え、きっかけは治君に好かれたいがためにダイエットをしていました、なんて理由、口が裂けても言えない。
だけど、これだけは伝えないと。
「体調が悪いわけじゃないから」
心配だけはしてほしくない。
「ほうか、それやったらええんやけど……。でもちゃんと食べた方がええで」
「え……?」
「階段から落ちそうになったときに、俺、受け止めやろ?そんとき思おたんやけど……。◯◯さん、抱き枕みたいで触り心地が良かってん。飯食べんとそれが半減してまう」
こんなだらしがない身体なのに、心地良かった……?
でも、お弁当食べていたときに言っていたじゃん。
デブはちょっと、て。
「なんで、そんなこと……」
治君は周りをキョロキョロと見渡した後に、私に耳打ちをしてきた。
「俺、◯◯さんのこと好きやねん」
「はあ!?えっ!!」
「声でかっ」
なんて、治君は笑うけど、急に耳元であんなことを言われたら、声だって大きくなる。
治君が私のことを好き?
信じられない。
だって……。
自分を落ち着かせるために咳払いをしてから尋ねた。
「治君、彼女いるでしょ」
「彼女?おらへんよ」
いない?そんなはずは……。
「北村君とマルちゃんって名前の彼女さんの話をしているの聞いちゃったんだけど」
「あー……マルちゃんってのはコレ」
そう言って治君はスマホを取り出して、一枚の画像を見せてくれた。
そこには丸っこくて、白色のフワフワした毛並みの猫ちゃんが。
「学校の近くにあるペットショップの猫。なんや知らんけど、懐かれてん。北村は冗談で彼女って言 とるだけで、本当 に彼女はおらへんよ」
私の勘違い?!
恥ずかしい。
「せやから◯◯さん。もし嫌やなければ1回………いや、3回だけでええから後ろから抱きつかせて!」
「え、嫌だけど」
いくら好きな相手だからとはいえ、はいどうぞとさせるほど私は恋愛経験もなければノリもよくない。
しかも回数増えたし。
「そこをなんとか!」
「嫌だってば!」
両手を合わせて懇願してくる治君をどうやって諦めさすか。
そんなときにタイミングよく予鈴が鳴った。
「ほら、チャイムなったから治君も席に戻りなよ」
「ちぇっ……せやけど、考えといてな」
不貞腐れたように自分の席に戻った治君。
考えておいて、と言われても……。
私の感情は大忙し。
しかし、意外にもその日はそれ以上治君から変なことを言われることはなかった。
なんだ、ただの冗談か。
小さなお弁当はすぐに食べ終わり、私は残りの時間を次の授業の予習に充てていた。
そんなとき、目の前の空いている席に誰か座ってきた。
席の持ち主が戻ってきた。
そう思っていたら、その人物は私の机に片肘を付くようにもたれ掛かりながら話しかけてきた。
「◯◯さん、最近お弁当全然食べてへんやろ?どっか悪いん?」
まさかの治君。
しかも、お弁当の量を見られていたなんて。
いや、小さくしたのを知ってもらいたい、とは思っていたけれど。
だけど、こんな唐突に言われると心の準備ができていなくて、上手く受け答えができなかった。
「あ、いや……」
しかも今は健康のためとは言え、きっかけは治君に好かれたいがためにダイエットをしていました、なんて理由、口が裂けても言えない。
だけど、これだけは伝えないと。
「体調が悪いわけじゃないから」
心配だけはしてほしくない。
「ほうか、それやったらええんやけど……。でもちゃんと食べた方がええで」
「え……?」
「階段から落ちそうになったときに、俺、受け止めやろ?そんとき思おたんやけど……。◯◯さん、抱き枕みたいで触り心地が良かってん。飯食べんとそれが半減してまう」
こんなだらしがない身体なのに、心地良かった……?
でも、お弁当食べていたときに言っていたじゃん。
デブはちょっと、て。
「なんで、そんなこと……」
治君は周りをキョロキョロと見渡した後に、私に耳打ちをしてきた。
「俺、◯◯さんのこと好きやねん」
「はあ!?えっ!!」
「声でかっ」
なんて、治君は笑うけど、急に耳元であんなことを言われたら、声だって大きくなる。
治君が私のことを好き?
信じられない。
だって……。
自分を落ち着かせるために咳払いをしてから尋ねた。
「治君、彼女いるでしょ」
「彼女?おらへんよ」
いない?そんなはずは……。
「北村君とマルちゃんって名前の彼女さんの話をしているの聞いちゃったんだけど」
「あー……マルちゃんってのはコレ」
そう言って治君はスマホを取り出して、一枚の画像を見せてくれた。
そこには丸っこくて、白色のフワフワした毛並みの猫ちゃんが。
「学校の近くにあるペットショップの猫。なんや知らんけど、懐かれてん。北村は冗談で彼女って
私の勘違い?!
恥ずかしい。
「せやから◯◯さん。もし嫌やなければ1回………いや、3回だけでええから後ろから抱きつかせて!」
「え、嫌だけど」
いくら好きな相手だからとはいえ、はいどうぞとさせるほど私は恋愛経験もなければノリもよくない。
しかも回数増えたし。
「そこをなんとか!」
「嫌だってば!」
両手を合わせて懇願してくる治君をどうやって諦めさすか。
そんなときにタイミングよく予鈴が鳴った。
「ほら、チャイムなったから治君も席に戻りなよ」
「ちぇっ……せやけど、考えといてな」
不貞腐れたように自分の席に戻った治君。
考えておいて、と言われても……。
私の感情は大忙し。
しかし、意外にもその日はそれ以上治君から変なことを言われることはなかった。
なんだ、ただの冗談か。