見た目じゃない
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やってきたデート当日。
最初は治にお弁当を作ってもらおうかと思ったけど、自分が作っていないお弁当を絶賛されても嬉しくないし、今後もし深い関係になったら必ず料理を作る場面に遭遇するだろう。
その度に治に頼めないし、いずれバレるなら早めに言った方がいい。
私は意を決して自作のお弁当を用意した。
相変わらず盛り付けセンス皆無、色合い最悪の出来に笑いそうになる。
でも、味見はちゃんとしたし、美味しいと思う。
木村君、喜んでくれるかな。
待ち合わせ場所に着くと既に木村君は待っていた。
「ごめんね、お待たせ」
「いいや、楽しみすぎて俺が早く来ただけだから。それより◯◯さんの私服姿、いつもと雰囲気が違っていて………その、素敵です」
「あ、ありがとう。木村君の私服も似合っているよ」
木村君ってこんなにも言葉をストレート伝えてくれる人だったんだ。
仕事以外の彼をちゃんと見ていなかったから、私も新しい発見をしてドキドキしそう。
「さっ、行こう」
そう言って繋がれた手は大きかった。
館内に入ってからも人が多くて迷子になるかもしれないから、何て言って手を離してくれなかった。
イルカショーを見るときはこっちの席の方が見やすいよ、と席を替わってくれたり、ときたま疲れていない?と気に掛けてくれたりとても紳士に接してくれた。
「ペンギン可愛かったね」
「てちてち歩いている様とかね」
時計を見ると、針は12を指していた。
「そろそろお昼にしようか」
「そうだね」
敷地内にある屋外の休憩エリアでお弁当を食べることにした。
ベンチにパラソルが立て掛けてあって、屋外でも過ごしやすい。
「見た目は悪いけど、味は大丈夫だから」
と前置きをして私は二人分のお弁当箱を取り出した。
「またまた謙遜して、それじゃあオープn………」
お弁当箱の蓋を開けた木村君はあからさまにテンションが下がったのが分かった。
「は?ブタの餌?それとも嫌がらせ?」
「え……」
聞いたこともない冷たい声と内容に、一瞬何を言っているのか分からなかった。
我に返って急いで否定をしたけど、時既に遅し。
「はー騙されたわ」
「だ、騙してなんかないよ!」
むしろ、態度の違う木村君にこっちが騙された気分。
だけど、お弁当の見映えが悪いのは事実。
「お弁当………食べなくていいよ」
「当たり前だろ」
木村君はお弁当に一切手を付けずに席を立った。
「どこに行くの?」
「帰るんだよ」
「え……」
チケット代が勿体なかった、そうブツブツ言いながら木村君は私を置いて行った。
手付かずのお弁当を見ると惨めになった。
蓋をして保冷バッグに入れ直す。
「私も帰ろ………」
二人で入館したのに、まさか一人で出ることになるなんて。
最初は治にお弁当を作ってもらおうかと思ったけど、自分が作っていないお弁当を絶賛されても嬉しくないし、今後もし深い関係になったら必ず料理を作る場面に遭遇するだろう。
その度に治に頼めないし、いずれバレるなら早めに言った方がいい。
私は意を決して自作のお弁当を用意した。
相変わらず盛り付けセンス皆無、色合い最悪の出来に笑いそうになる。
でも、味見はちゃんとしたし、美味しいと思う。
木村君、喜んでくれるかな。
待ち合わせ場所に着くと既に木村君は待っていた。
「ごめんね、お待たせ」
「いいや、楽しみすぎて俺が早く来ただけだから。それより◯◯さんの私服姿、いつもと雰囲気が違っていて………その、素敵です」
「あ、ありがとう。木村君の私服も似合っているよ」
木村君ってこんなにも言葉をストレート伝えてくれる人だったんだ。
仕事以外の彼をちゃんと見ていなかったから、私も新しい発見をしてドキドキしそう。
「さっ、行こう」
そう言って繋がれた手は大きかった。
館内に入ってからも人が多くて迷子になるかもしれないから、何て言って手を離してくれなかった。
イルカショーを見るときはこっちの席の方が見やすいよ、と席を替わってくれたり、ときたま疲れていない?と気に掛けてくれたりとても紳士に接してくれた。
「ペンギン可愛かったね」
「てちてち歩いている様とかね」
時計を見ると、針は12を指していた。
「そろそろお昼にしようか」
「そうだね」
敷地内にある屋外の休憩エリアでお弁当を食べることにした。
ベンチにパラソルが立て掛けてあって、屋外でも過ごしやすい。
「見た目は悪いけど、味は大丈夫だから」
と前置きをして私は二人分のお弁当箱を取り出した。
「またまた謙遜して、それじゃあオープn………」
お弁当箱の蓋を開けた木村君はあからさまにテンションが下がったのが分かった。
「は?ブタの餌?それとも嫌がらせ?」
「え……」
聞いたこともない冷たい声と内容に、一瞬何を言っているのか分からなかった。
我に返って急いで否定をしたけど、時既に遅し。
「はー騙されたわ」
「だ、騙してなんかないよ!」
むしろ、態度の違う木村君にこっちが騙された気分。
だけど、お弁当の見映えが悪いのは事実。
「お弁当………食べなくていいよ」
「当たり前だろ」
木村君はお弁当に一切手を付けずに席を立った。
「どこに行くの?」
「帰るんだよ」
「え……」
チケット代が勿体なかった、そうブツブツ言いながら木村君は私を置いて行った。
手付かずのお弁当を見ると惨めになった。
蓋をして保冷バッグに入れ直す。
「私も帰ろ………」
二人で入館したのに、まさか一人で出ることになるなんて。